大きな拍手と大歓声に小田節で応える

 トークから流れるように、オフコースが ’78年に発表した『夏の終り』を歌い始める。大きな拍手で包まれた会場から次々に起こる「小田さん!」コールに、

「収録を意識してるんですか(笑)。僕は実年齢よりもひと回りもふた回りも若いねと言われることがあるんですが、やっていることは年相応なんです。ちょっと若い感じと、ヨボヨボしている感じとどっちがいいでしょうか? あんまり元気なのもね(笑)。どういう感じが好まれるんでしょうね。年相応な『秋の気配』を無理しないでやってみましょうか」

小田和正 撮影/菊地英二
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 そのまま歌唱に入るかと思いきや「あれが〜♪」と歌ったあとにすぐ「すみません」と演奏を止める。これぞライブの醍醐味と客席からは大きな拍手が。

「もう1回やります」

 そこからはCMソングやドラマ主題歌などになった『愛を止めないで』『言葉にできない』に、ステージを走り回る小田とともにファンが合唱した『Yes-No』と続く。昨年の全国ツアーで回った各地を旅する『ご当地紀行』のダイジェスト映像では、人生で初めて電車の席を譲られた鳥取での車内や、岩手の小岩井駅で幼稚園児に「『クリスマスの約束』に出ていますよね」と声をかけられる小田の姿が。

 ライブ後半戦になると、ドラマ『東京ラブストーリー』の主題歌『ラブ・ストーリーは突然に』を歌いながら客席へと下りていき、続く『キラキラ』までアリーナへつながるスタンド席のすべての階段を上り、至近距離でファンに挨拶する。ニュース番組のテーマ曲『明日』や『君住む街へ』を歌い上げるとステージを後に。

 ツアータイトルに“ENCORE!! ENCORE!!”とあるからか、沸き起こったアンコールは2度。数々のアーティストがカバーしている『さよなら』に、会場全体が白いペンライトで染まった『やさしい夜』に続き、圧巻だったのは『また会える日まで』を小田やバンドメンバーたちがアカペラで歌ったこと。

 そのときのファンの動きが小田のイメージと違ったようで「もう1回! せっかく収録だから」と、やり直し。観客はこのアカペラを2度聴くことができる幸運に見舞われた。最後は「ありがとう!!」と走り回り感謝を伝え、振り返ることなく颯爽と会場を去った。

 ツアーは、7月31日の愛媛県武道館まで続く。

「(さいたま)新都心に、いつ帰ってこれるかわかりませんが、戻ってきます」

 その言葉を信じています──。