お見合い場所を、自分の近くに呼び寄せる人

 聡美さん(35歳、仮名)は、千葉県在住なのですが、千葉、東京、神奈川、埼玉の男性とは、積極的にお見合いをしていました。プロフィールには、「日本全国どこにでもお嫁に行きます」とPR欄に書いていましたし、美人さんなので、お見合いもよく組めていました。

 先日、埼玉の男性、吉積さん(37歳、仮名)とお見合いが成立したときのこと。私が池袋でのお見合いを組みました。すると、聡美さんからこんな連絡がきました。

「吉積さんとのお見合いですが、場所は千葉ではダメですか? あちらからのお申し込みですから、近くに来ていただいてもいいですよね。池袋は遠いので」

 確かに申し込んで来たのは、男性のほうですが、東京を挟んでいるのです。

「中間地点で会ってもいいのでは?」と、私が言うと、聡美さんはこう答えました。

「中間地点だったら、新宿じゃダメですか。あと、錦糸町でどうですか」

 新宿から池袋は、山手線で9分です。“池袋は遠いけれど、新宿ならいい”。そのこだわりがわかりません。さらに、都内にするなら、千葉に近い都内の錦糸町にできないかという。

 聡美さんに限らず、お見合いをなるべく自分の住んでいる近くでしたいという女性がいます。男性には、こうしたタイプは少ないのですが。

 聡美さんのようなタイプの女性は、男性の住んでいる近くでお見合いが設定されると、頑(かたく)なに拒んで、「場所を変えてください」と言います。「どうして私が、そこまで行かないといけないのですか?」と譲りません。

 こういう女性たちは、近くに来てくれる、イコール、大切にされているという概念があるのでしょう。食事をご馳走してくれる、イコール、大切にされていると考えるのと似ていますね。

 結局、聡美さんは、穂積さんと錦糸町で見合いをしました。

「すごく楽しくお話をすることができました。またお会いしたいです」と聡美さんは“交際希望”を出してきましたが、穂積さんからは、“お断り”がきました。いったん、池袋で決まったお見合い場所を、千葉に近い錦糸町に変えた。そこに、聡美さんの人柄を垣間見たのかもしれません。

自分本位で相手の立場に立てない人々

 1度決めたスケジュールを、クルクル自分の都合で変えたり、1時間前にドタキャンしたり。

 お見合い時間の15分前に、30分遅れることを連絡してきたり。

 自分の住んでいる場所の近くでお見合いしたがったり。

 これらの人たちに共通しているのは、あくまでも自分中心で物事を考えていて、相手の立場に立っていないことです。

 結婚は、それまで全く違う環境で育ってきた人同士が、ひとつ屋根の下で暮らすことです。自分の発言や行動が相手にどんな印象を与えるか、その想像力に欠けている人は、結婚することが難しいでしょう。

 30代、40代、50代と独身で思うがまま生活をしてきて、自分のライフスタイルを確立してしまった人は、自分中心の発想になりがち。もっとお相手に対して思いやりのある婚活をしてくださいね。


鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/