「若手のお笑いライブには出待ちファンも多く、なかには手作りのお弁当を作ってくる熱いファンもいる。アルバイトをしている若手芸人にはありがたいと思うんでしょうね。でも食中毒も怖いので、『手作りは絶対食べるな』と指導しています」

 そう明かすのは、お笑いタレントを育成する芸能プロダクション幹部だ。

 食べ物の差し入れは論外だが、それ以外の差し入れも西野は拒絶する。

どんな差し入れよりも強い「現金」

 西野のツイッターの約1か月前、公益社団法人落語芸術協会新会長の就任会見で、春風亭昇太は、学校公演などで公演後に花束をもらうことについて、表現に配慮しながら「5000円の花束よりも3000円の現金を」と、満面に笑みを浮かべ訴えた。

「新会長の公約として掲げましたが、あれは昇太の自論です。真打昇進披露興行があると、祝儀は現金で、と訴えるんです。その芸人が好きなお酒や名物を差し入れたりする落語ファンがいますが、案外、迷惑なんです。ただでさえ落語家は、着物を持ち運んだり荷物が重たい。そこに酒瓶が来ても困るだけ。西野さんのツイッターと同じですよ」

 ただ、西野は、差し入れは迷惑と訴えたが、現金ならOK、とは訴えなかった。

 落語の世界や相撲界の世界には、祝儀を切る、といういい習慣がある。どんな差し入れより、現金は強い。軽くて邪魔にならない。

 金額の多い少ないは関係ない。亡くなった名人・立川談志師匠は生前「1000円でも喜んでもらいますよ」と言っていた。

 たとえ名人に対してでも、現金を渡せるというのが祝儀を切る、ということ。

 お笑いタレントの世界にもその習慣が広がれば、西野のような不快感を味わうこともなくなる。とはいえ、多くの祝儀を切られると、税金の申告などまたやっかいな手間がかかるが……。

<取材・文/薮入うらら>