ラジオやテレビでの歯に衣着せぬ発言に、多くの人が溜飲を下げたり、賛同したり、逆に流行りの“炎上”の的になることもある大竹さん。

 担当編集者は大竹さんのその「正論」に注目し、「正論を言いにくい時代にあって、恐れずに自らの意見を発言できる」勇気に共感したという。そんな大竹さんの今の思いを1冊にしたいと、口説くこと5年。

おいしいどら焼きで説得を

「口説かれて4年目まではノーだった。俺のどこをいいと思ってくださったのかはわからないけれど、盆暮れに欠かさずおいしいどら焼きを持ってこられたら、人は説得されますねぇ

(最初はやる気がなくても)5年目にやってみようと口説き落とされることがあることを知りました」

 昨今は著者の発言をライターがまとめる書も多い中、本書は正真正銘、大竹さん自身が綴ったもの。パソコンは使えないので、1000円ほどの万年筆で記した。1冊まとめて執筆するのは難儀ゆえ、月刊誌での連載をまとめる形を取ったというが、

連載の途中から、締め切りに1週間ほど遅れても大丈夫とわかって、毎回ギリギリまで書けなかったのか、書かなかったのか……。締め切りがないと書けませんよねぇ

 1年にわたる連載を加筆・修正して仕上がった本書は、5章に分けられた15のテーマ(論)がまとめられている。