実録!性感染症を体験した女性たち

《トリコモナスに感染したのは温泉かも?》

 ダンナとは10年以上ごぶさただし、ほかの男性とも性交渉はないし、まさか性感染症になるとは夢にも思っていませんでした。

 昨年末、友人と日帰り温泉に行った数日後、いきなりデリケートゾーンのかゆみで朝、目覚め、その後2、3日かゆくてかゆくて……。黄色っぽいおりものが止まりませんでした。

 ついに、かきすぎて血が出てしまい、これはもうだめだと婦人科へ行って検査したところ、トリコモナスに感染していました。体温くらいのぬる湯にはトリコモナスがいる可能性が否定できないと

 そういえば、ぬる湯に2時間くらい浸かっていました。薬を飲んですぐに治りましたが、年末だったので、このまま新年を迎えることになったらどうしよう、とヒヤヒヤでした。(50代、パート主婦)

《婦人科検診で尖圭コンジローマを発見》

 自治体の婦人科検診の対象年齢だったので久しぶりに受診したら、腟にイボのようなものがあり、それが尖圭コンジローマというものでした。

 かゆみや痛みなど何の症状もなかったので驚きました。薬ですぐに治るかと思っていたら、腟内にある尖圭コンジローマは子宮頸がんの前段階の可能性があるということで、検査に回されました。

 幸い、子宮頸がんではなかったのですが、手術でイボをとることになりました。40代後半ですでに生理がなくなったので、ダンナとはコンドームをつけなかったのがよくなかったのかも……

 それよりも、ダンナがどこからかウイルスを持ってきて、自分がこんな目に遭ったのかと思うと腹立たしくてしかたありません!(40代、専業主婦)

《性器ヘルペスで尿が出なくなり緊急入院!》

 1週間前に彼とセックスをしてデリケートゾーンにかゆみと痛みが出たので、何かうつされたかも、と嫌な予感がしました。その後、熱が38度になり、脚の付け根も痛くなってきたので婦人科を受診しました。

 すると、やはり性感染症の性器ヘルペスということで、抗ウイルス剤を処方され服用しました。これで治るかと思ったら、翌日おしっこが出なくなり、これはおかしいと性感染症の専門クリニックへ行きました。

 ところが、全身状態が悪いと大きな総合病院へ緊急入院となりました。ベッドに寝たきりでカテーテルで尿を出すという、さんざんな目に……。性器ヘルペスは再発すると聞き、これからの生活が不安です。(30代、会社員)

(取材・文/山崎ますみ)

教えてくれた人 尾上泰彦先生
●おのえ・やすひこ。医師。プライベートケアクリニック東京院長。日本性感染症学会功労会員。梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、淋病・クラミジア咽頭感染等性感染症全般の専門家。著書『アトラスでみる外陰部疾患プライベートパーツの診かた』(学研メデイカル秀潤社)ほか