弘中は現役の局のアナウンサーの割には発言に抑制がなく、自由に思ったことを言っている感じがあるものの、あざとい女性をあくまでも客観的に見て分析しているようなところがあった。

 一方の田中は、VTRで紹介されるあざとい言動を自分もやっていると告白しつつ、それをやってしまう女性の深層心理にまで分け入った解説をしていた。

 例えば、合コンの途中で上着を脱いでノースリーブになる女性に対しては「ただただちやほやされて合コンの中で1番になりたい子なんだと思う」とバッサリ。「あざとい女は嫌だ」と突き放すだけでなく、あざとい女側の立場からも物が言える田中は、この分野で最強の解説者だった。

 バラエティー番組ではいつも堂々としている弘中ですら、田中に対してはやや畏縮しているようなところもうかがえた。あざとい女について語る田中の放っている「覇気」がそれだけすさまじいものだったのだ。

田中と弘中の「あざとさ」の違い

 そもそも田中と弘中は、どちらも「あざとい」と言われることがあるが、女性としての種類が違う。田中は、自他共に認める「あざとさの絶対王者」である。意識的にも無意識的にもそれを貫いているタイプだ。

 一方、弘中は見た目と声質が幼いため、必要以上にあざといと思われやすい。そのイメージを覆すようなストレートな物言いが面白がられているところを見ると、自覚的にあざとく振る舞うところは少ないように見える。普通にしているだけであざといと思われてしまうので、自らそこに向かう必要がない、という感じだろうか。田中のような確信犯的なところはあまりない。

 田中自身が普段やっているあざといテクニックを紹介するコーナーでは、彼女の本領が発揮されていた。飲み会の設定で、隣に座った山里を落とすためにテクニックを駆使していた。

「さりげないボディタッチ」「上目遣い」「小声でささやく」「意味なく笑う」と技を連発。さらに、相手の飲み物を「おいしそう」と言って一口もらった後、返すときに「間接キスになっちゃうんで気をつけてください」と付け加えて意識させるという高等テクニックまで披露した。

 だが、田中が本当に恐ろしいのはここからだった。田中のテクニックを見て「学ぶところが多いです」と感心する弘中に対して、田中はこう言い放ったのだ。