会見の最後に松本さんは、「2020年の12月31日や12月がどういう空気になるのか? 自分がそのとき、どういう思いになるのか? 正直想像がついていないんです」と本音を漏らしました。

 東京オリンピック・パラリンピックが終わったあとに、日本中を覆いはじめるであろう「嵐ロス」のムードはどんなものなのか? 彼ら自身もまったく想像できていないのでしょう。事実、この日の会見は、いつも通りの自然体で、和気あいあいとしたムードに終始。その牧歌的なムードに、「彼らはラスト1年を特別視していないのでは?」という声もあがるほどでしたが、今後は心境が変わってきたとき、SNSにアップすることは十分考えられます。

「いつか活動再開してもらいたい」ファンの姿勢

 コンサートに通うヘビー層だけでなく、テレビを見ているだけのライト層も含めたファンたちは、これまで以上の応援と感謝の声を送り続けるでしょう。また、現段階では、「『いつか活動再開してもらうために、気持ちよく送り出そう』と考えているファンが多い」と予想されています。

 そんなファンたちの姿を見て、嵐の5人は何を思い、どんな形で表現していくのか? SNSでは、彼らとファンの思いが飛び交い、ホットワードを嵐関連のフレーズが埋め尽くすかもしれません。

 ビジネスの側面で見れば、「活動休止に関わる一連の経済効果は3249億円」という推計もあるなど、どこまで盛り上がるのでしょうか? 20周年の会見は、単なる新プロジェクトのPRでなく、そんな1年後のフィーバーをリアルに予感させるものだったのです。


木村 隆志(きむら たかし)コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。