宇野昌磨が求める「コーチ像」

「宇野選手は自分で考えて行動したり、ある程度、距離を保って接してほしいマイペースな性格。以前の山田・樋口両コーチは、振り付けも宇野選手の意見を取り入れたり、たとえ振り付けを覚えるのが遅くても急かしたりはせず、彼の世界観を尊重して個性を発揮させるスタンスでした」(スケート連盟関係者)

 日常生活や行動を徹底管理するタイプのコーチは苦手としているようだ。

「今年、夏合宿に参加したロシアのエテリ・トゥトベリーゼコーチは指導が厳しいうえに食生活から練習メニュー、演技に使う曲の振り付けまで徹底管理するタイプです。宇野選手は彼女のことを心から尊敬していますが、コーチとして迎えるとなると相性がいいとは言えないでしょう」(同・スケート連盟関係者)

 彼が探し求めるコーチはどのような人物なのだろうか。

「宇野選手はここ数年“表現力を磨きたい”と語っています。ジャンプ練習やほかのメニューを押しつけるのではなく、表現力を重視した練習を行ってくれるコーチを探しているのかもしれません」(同・スケート連盟関係者)

 フリー後のインタビューで、新しいコーチについては「年明けまでお待ちいただけたら」と語っていた宇野。そんななか、彼を心配した昔の恩師が行動を起こしていた─。

フランス大会のあと、心配した山田コーチから、宇野選手に連絡があったようです。幼いころから見ていた山田コーチとしては、宇野選手は“孫”も同然。試合後に涙する彼を“見ていられない”と思うのも当然のことでしょう。一時的に預かる可能性もあるかもしれません」(同・スケート連盟関係者)

 山田コーチのマネージャーに、この件について問い合わせてみたところ、

「そういった取材にはご対応しておりません」

 宇野の所属事務所にも問い合わせてみると、

「フランス大会後に山田先生よりご連絡はいただいておりませんが、先生のもとを離れてからも、中京大学や名古屋市内のアイスリンクでお会いする際は応援のお言葉をいつもいただいております。より強く、よりうまくなることが先生への恩返しになると考えておりますので、先生のもとに戻る予定はございません」

 11月15日から、宇野は今シーズン2戦目となるロシア大会に出場する。笑顔で表彰台に立つ彼が戻ってくることを願わずにはいられない。