解禁となるか、4回転アクセル

 一方で、羽生も完全勝利に向け、圧倒的な武器となる難技“4回転アクセル”の習得に奔走している。

「9月に行われたオータムクラシックの公式練習時には、“4回転アクセルの練習のために5回転を跳んでいる”“投入は今季を目指したい”と話していました。完全に跳べるようになる日も、そう遠くないという話です」(前出・スポーツ紙記者)

 誰も跳んだことのない4回転アクセルが、いよいよ目の前にまで迫っている──。ネイサンとの対決の日に、ついに解禁となるのだろうか。

「今シーズン中の披露を目指していましたが先送りになるかと思います。今、羽生選手は大会に“確実に出場すること”を最優先に考えていますし、現時点での彼の技術で十分に勝算はあります。強引に組み込む必要はないと考えているのでしょう」(折山さん)

 昨年のグランプリファイナルは、直前のロシア杯の公式練習中に右足首を負傷し、療養とリハビリのため、欠場を余儀なくされていた。さらにこのケガが原因となり、全日本選手権も欠場することになってしまっていたのだ。

一昨年も、ケガに見舞われて大会を欠場していた羽生選手にとって、今年のグランプリファイナルは3年ぶりの優勝をかけた正念場。“ケガなくやりきることが目標”と話すなど、足の健康状態にこれまで以上に気を配っているように見えます。確実に勝利するためにも、自分で“無茶に突き進まない”という選択ができている。精神的にも、今までより明らかに成長しています」(スケート連盟関係者)

 ひと皮むけ復活を遂げた王者。秘めたる思いを胸に勝利をつかむことはできるのか。