「生活保護で生きるほうが賢い」

 深谷の家と同じような状況が足利の自宅でも繰り返されていた。知人・Bさんはそこで見た地獄絵図を伝える。

「室内は暑く、閉め切られ、たちはのびていました。衰弱し、エイズや白血病などに感染し、死にかけている子や死骸もありました。保護されたの中には、尾っぽも目も動かさないほどに感情を失ったがいたほどです」

 動物愛護関係者の見方は一致していて、北口容疑者手に負えないほどの動物を飼育してしまう典型的な『アニマルホーダー』にあたるという。

引っ越して2か月くらいの足利市の自宅(関係者提供)
引っ越して2か月くらいの足利市の自宅(関係者提供)
【写真】多くの死骸が発見された容疑者の自宅、直撃に妙な理屈をこねる容疑者

 そのうえをエサにして、動物好きの善意を悪用していたフシがうかがえる。

「お金がない、死にそうだ、と、かわいそうなたちの写真をSNSにアップして寄付を募る。実情を知らない人は同情して寄付をしてしまうんです」(前出・Bさん)

が人質になっている状態」

 元ボランティアの1人は、そう厳しく断罪する。

「以前、彼に“働いたらどうか”と言ったら“働いたら生活保護がもらえない。生活保護で生きるほうが賢い”と。好きののための善意の支援で自分のものも購入していました。液晶テレビにパソコン、新型のスマートフォン……」

 深谷市の借家では当時同棲していた女性がたちの面倒をみながら昼夜仕事をしエサ代や生活費を工面していたという。

「北口は彼女に暴力をふるったことがあり顔にアザをつくり、逃げてきたのを保護したことがあります」(前出・Aさん)

 交際相手はDVが原因で去り、北口容疑者はその後、SNSで支援を募る生活に。も次々に増え、最大200匹にまで増えていたとも。