眼瞼下垂の手術を受けた患者のビフォーアフター 写真提供=小室主任教授
眼瞼下垂の手術を受けた患者のビフォーアフター 写真提供=小室主任教授
【写真】まるで別人!? 眼瞼下垂手術を受けた女性、生き生きとした美しい目元に

憧れのあの女優の目にしてもらえるの?

 さて、小室主任教授に術前と腫れがひいた数か月後の症例写真を見せてもらうと、その変化のほどに圧倒される。どの患者さんも、ぼんやり眠そうな目元がスッキリ・ハッキリとして、男っぷり、女っぷりが2割以上は増しているのだ!

 見えにくさの改善など、治療が第一目的で受ける手術ではあるものの、どうせなら、よりきれいになれるように手術をしてもらいたいもの。石原さとみや佐々木希のような幅広の並行型二重も素敵だし、桐谷美玲や新垣結衣みたいな末広型二重にもなってみたい。蒼井優ふうの奥二重も捨てがたい……。ついつい、そんな思いが湧き起こってしまう。だが、

「どんなまぶたでも自由に作れるというわけではないんですよ。個人の骨格とかまぶたの皮膚の厚さなどによって、できることは決まっています。まずは、ご自身の10年前、20年前の写真を探してみてください。そのころのまぶたがデザインの基本です

 とはいえ、二重の幅を広くしたり狭くしたりはできるので、仕上がりの希望は積極的に伝えていい、と小室主任教授。どのドクターも、要望は極力聞いてくれるという。

「ただし、対応可能な範囲には限りがあるということです」

 インターネットをのぞくと、「眼瞼下垂手術で後悔している」「失敗してしまった」という書き込みを目にすることがある。前述の和田アキ子についても、2018年の冬に1度目の手術を受けたのち、今年10月には、眼瞼下垂の修正手術を受けたことを明かしているから、初回の仕上がりには不満があったのだろう。

「目は、顔の中でも最初に視線が向くところです。術後は術前よりも目元がパッチリしすぎたなど、印象が変わってショックを受けることも少なくありません。

 例えば、一重まぶたの厚い人が切開による眼瞼下垂手術を受けると、涼しげな一重まぶたが急に座布団をたたんだような二重になり、相当な違和感を感じるでしょう

 「手術に失敗した」という人は、こうした術式の選択を誤った末に生じた不自然さが気になって悔やんでいることが多いというのだ。

「一重でまぶたが厚いタイプの人には、『眉毛下皮膚切除手術』という、眉下部分の皮膚を切って、たるみをとる手術をおすすめします。これだけで重さが軽減されますから、とても楽になりますし、イメージも変わらないと思います。繰り返しますが、眼瞼下垂の手術では、その人のまぶたのタイプを判断しての術式の選択が大切なのです

 周りに手術をしたことを知られたくない、という人は、“切らない眼瞼下垂手術”がおすすめだ。

「目の美容整形である埋没法の手術を応用したもので、目の裏を糸で止めます。実施している医療機関は美容外科が多く、やはり基本的には自費での手術になります。しかし、これでしたらダウンタイムを短くすることができますし、手術を受けたことにほとんど気づかれないでしょう」

(取材・文/千羽ひとみ)


【PROFILE】
小室裕造先生 ◎帝京大学医学部形成・口腔顎顔面外科学講座主任教授。小児の頭蓋顔面の先天異常や顔の外傷の治療を主に扱っている。美容外科領域でも、これらに関連した顔面の骨格の手術、まぶた周辺を中心とした顔面の若返り手術を得意としており、手術の腕前は「早くて、繊細かつ正確」と定評がある。

小室裕造主任教授
小室裕造主任教授