この事件は、少女だけではなく、小山さんというミャンマー語のスペシャリストが亡くなったことも衝撃を与えた。

 小山さんが通訳を務めたことのある上皇ご夫妻やミャンマーのアウンサン・スー・チー国家顧問からも弔意が寄せられたのだ。

外務省職員の小山智史さん
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 事件から半年が過ぎ宮崎県の実家に取材を申し込むと、「いまはまだお話ができる状態ではないので申し訳ありません」と父親と思われる男性が言葉少なに語るのみだった。

 智史さんの知人が、遺族の心境をこう推し量る。

「ご遺族はメディアには出られるような状態ではないが、一方では事件を風化させたくないという思いもあるので、かなり葛藤もあるようです」

 別の知人は、こう重い口を開いてくれた。

「実家のご家族としては、もちろん“なんでうちの息子が”“許せん”という思いが強いはずです。近所には智史さんが亡くなったことを知っている人もいて、その話題になるのがつらいのでしょう。家にこもっているような状態になっています。かわいそうですよ」

 なんの落ち度もない人々を殺め、遺族にも立ち直れない傷を負わせた犯人の罪はあまりにも重い。