私は、“交際終了”がきたことを、宮子さんに連絡しました。すると彼女は、驚いたように言いました。

「なぜ交際終了になったのですか? 私、何か失礼なことをしたのでしょうか? 何か気にさわるようなことを言ったのでしょうか?」

 “LINEの返信が遅かったことやデートよりも家事を優先させていたことに、結婚への熱意を感じなかった”と、お断りの理由を伝えたのですが、彼女はピンときていない様子でした。宮子さんはおそらく誰とお付き合いしても、この調子なのでしょう。

 人を好きになると、その人のために何かをしてあげたい。万障繰り合わせてもお付き合いしている人に会いに行く。そんな気持ちが薄いのです。つまり人を好きになる力が弱いのですね。

 それを感じた亘さんは、“結婚をしたいと思う熱量が違う”と、判断したのでしょう。

婚活市場の男性は、婚活意欲が感じられない

 これが男女、逆パターンのカップルもいました。

 沙織さん(39歳、仮名)は、10年前にお父さまを、5年前にお母さまを病気で亡くし、ごきょうだいもいないので天涯孤独の身。ご両親を亡くされたときは悲しみに打ちひしがれていましたが、「泣いてばかりいては、幸せはつかめない」と、3年前から真剣に婚活を始めました。

 ところが、お見合いで会う男性は、連絡先を交換してもメールがくるのは、週に1回程度。それも、『いついつ、○時に食事をしませんか?』という味気のないメールばかり。

 一度食事をすると、次に会うのは2週間、3週間後。その間にメールのやりとりはなく、会う直前になって日時を打ち合わせする業務連絡のようなメールがくる。お見合いのときに、“いいな”と思っていたお相手でも、時間の経過とともにどんどんテンションは下がり、結局、1回か2回食事をすると、交際終了になっているパターンが続いていました。

 沙織さんは、私に言いました。

婚活市場にいる男性って、結婚する気があるんですかね。本気で結婚をしたいと思っているのでしょうか? 私に魅力がないのかもしれませんが、婚活への意欲が全く感じられません」