死んだなと思うような“挑戦”

「仕事は基本むちゃくちゃです。いま美術館を作っている最中なんですけど、誰がどう言ったか覚えていないんですが“美術館って3億円くらいあればつくれるんじゃない?”って思ってたんです。でもスタートして、ちゃんと見積を取ってみたら15億円が必要で(笑)。

 それでも計画は止まらず、何とかするしかないって最中なんですけど、こういう“死んだな”っていうことは多々ありますよ」

 絶体絶命な状況にもかかわらず、終始ワクワクした表情で語る西野。そんな彼が、いま最も“挑戦”したいことが、この舞台だった。

「ここ数年、誰のお伺いも立てず、僕が本当にやりたいことだけをずっとやってきたんですけど“それだけしかやらないっていうのもな……”って思い始めたんです。自分が創造したものしか世に出ないというのも、アプローチの幅が狭まる気がして。

 “西野亮廣”の能力って、本当に僕自身がいちばん使いこなせているかどうかってわからないじゃないですか。誰かの手によって、僕が知らない何かすごい部分がニョキッと伸びるかもしれない。もう1度、誰かが作ったものに本気で乗っかりたいな、と思っていたときに、ちょうど今回の舞台のお話をいただいたので、一生懸命やろうって決めてたんです! いま暗いニュースが続いているので、明るい話題を提供できればと」

 残念ながら公演は叶わなかったものの、舞台は“中止”で終わらない──。公式ホームページにて、脚本・演出の上田誠氏による舞台プロットや、キャストによるゲームプレー動画、稽古中の裏話ラジオトークなどの蔵出しコンテンツを随時更新。4月19日にはスペシャル配信番組『まことの挑戦状』を、西野の家から配信する予定だ。

 あなたも こんな 舞台の 企画にまじになっちゃってみない?

『たけしの挑戦状』をプレーしてみて……

「時間があるときに、自宅にファミコン本体を持ち込んで実際にプレーしてみて、結構進めました。途中、シューティングゲームをするところがあるんですけど、そこが非常に難しくて、稽古の休憩時間にそのステージをみんなでやってるんです。

 僕は事前に家でプレーして予習して、“ここはこうやったほうが……”という攻略法を編み出したんですけど、今日の稽古の最初にみなさんにそれを披露したら、非常に反応がよくて。みなさんが“すごい!”ってめちゃくちゃ言ってくださるんで思わずうれしくなっちゃって、“やっぱ褒められるっていいな”って思いました(笑)。本当ゲームができただけで、すごい褒めてくださるんですよ!」

ファミコンをプレイする西野亮廣 撮影/伊藤和幸
ファミコンをプレイする西野亮廣 撮影/伊藤和幸
【写真】「芸人もだいぶ前にやめました」という最近の西野亮廣
西野亮廣(にしの・あきひろ)1980年7月3日生まれ。兵庫県出身。お笑いコンビ・キングコングのツッコミ担当。日本国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』オーナーであり、会員数は4万3000人を突破。現在クラウドファンディングプロジェクト「映画『えんとつ町のプペル』を全国の子供達にプレゼントしたい」を立ち上げ、映画を贈りたい人と映画のプレゼントを受け取ってくれる『子供コミュニティー』のマッチングを行っている。
https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/1189(4月26日23:59プロジェクト終了予定)