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「大脳には約200億の細胞が存在しますが、実際に使われているのは、わずか5%といわれています」(井上肇先生、以下同)

 大部分の脳がなぜ使われていないかは未解明だが、“両手を使わないこともわずかではあるが理由のひとつでは”と井上先生は指摘する。

「人間の脳には身体の各部位の運動をコントロールする司令塔がありますが、右利きの人は左脳に、左利きの人は右脳に配置されています。そのため、右利きの人の右脳は左脳ほど開発されていません。その司令塔の中には、住所の“番地”にあたるものが存在しますが“手”と“口”の番地の部分はほかの部位に比べて圧倒的な広さを占有しています。なぜなら手と口の運動は際立って複雑だからです」

左手の訓練は片まひになったときの対策にも

 この複雑な仕事を左手にさせれば、それが右脳の巨大司令塔の新規開発事業となり、計り知れない刺激が脳を活性化。認知機能低下(認知症)の抑制が期待できる。