悩み3. 50代からも増加する膀胱炎

 尿道から細菌が入り、膀胱の粘膜が炎症を起こすことを“急性細菌性膀胱炎”といい、排尿時に痛み、残尿感などの症状がある。性交渉が原因となることが多く、20代女性に多くみられる病気だが、50代でも増加してくるという。

「閉経後、エストロゲンが減少すると、細菌の繁殖を防ぐ自浄作用の力が弱くなります。疲労で免疫力が低下すると、細菌が増殖して発症しやすくなります」

 予防のためには肛門を清潔に保ち、疲れをためず、疲れているときは性行為を避ける、などを心がけて。医療機関で処方された抗菌薬を服用すれば3~7日で細菌はいなくなる。

「痛みや違和感が消えたら、前述の膀胱訓練を行って。膀胱炎後に起こりやすい過活動膀胱を予防することができます」

「膀胱炎かな?」と医療機関で尿検査をしても、細菌が見つからない場合は、“間質性膀胱炎”が疑われる。

「膀胱の“間質”という場所に炎症が起こる病気で、一般的な膀胱炎と似た症状があり、頻尿の悩みもともないます」

 これは、膀胱の内側の粘膜が弱まり、たまった尿が膀胱の間質という場所にしみこむことで炎症が起こるもの。

「原因ははっきりとわかっていません。対症療法として抗うつ剤や抗アレルギー薬、また膀胱を拡張する治療法などを行います。私のクリニックでは同時に膀胱訓練法も行います」