理由が笑えない人も芸人・タレント編

 続いて、芸人・タレント編。面白さが売りといっても、引退理由が笑えるとは限らない。

 2011年に数々の人気番組を抱えながら、突如引退した島田紳助の場合、暴力団との交際報道がきっかけだ。ただ、それまでにも女性マネージャーへのパワハラや後輩芸人・東京03への恫喝といった騒動を起こしており、自ら潮時を察しての決断にも思えた。

 とはいえ、この引退で困ったのは本人よりもmisonoや野久保直樹、山田親太朗といった『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ系)に出演していたおバカ系タレントだろう。後ろ盾を失って、軒並み失速するハメに。一方、紳助はそれまでに稼いだお金で悠々自適の生活だし、復帰待望論もある。

 悠々自適の生活といえば、紳助が師と仰ぐ上岡龍太郎もそうだ。ただし、こちらは不祥事が原因ではなく、自らの公約を実行しただけだった。それは、芸能生活40年、2000年の春になったら隠居するというもの。以来、表舞台に姿を見せたことはない。

 しかし、最近『おかべろ』(フジテレビ系)でその近況が明かされた。実は兄弟漫才師のミキは上岡の甥にあたり、法事の際のあいさつをミキの母(上岡の妹)がこっそり録音したのだという。それを聞かされたミキのふたりいわく、

昴生「まんまでした。パペポ(『鶴瓶上岡パペポTV』日本テレビ系)のときの」亜生「もう、すらすらすらすらーっと。読んでるみたい、何かを」

 立て板に水のようなよどみのないしゃべりは、78歳の今も健在のようだ。

 が、上岡のようなキレイな去り方は珍しい。なかには、大橋巨泉のように「セミリタイア」という言葉を使ってテレビにちょくちょく出続け、閉店セールを年中やっていると揶揄された人もいる。

 目立つのはやはり不祥事で引退というパターンだ。そのひとりが、山口達也。MCを務める『Rの法則』(NHK Eテレ)に出演していた未成年タレントへの強制わいせつ事件で引退した。この番組には10代後半の少年少女が多数出演しており、そこには後輩ジャニーズもいたが、これが原因で打ち切り。この件がなければ、田中樹やジェシーももっと早くブレイクしていたかもしれない。

 ほかにも、羽賀研二(未公開株詐欺と恐喝)やキングオブコメディの高橋健一(女子高生の制服の窃盗など)が不祥事で消えた。

 また、今年7月には、ユッキーナこと木下優樹菜が引退。原因は昨年、姉が勤務していたタピオカ店の店長を恫喝したことと不倫報道だ。謹慎を経て、活動再開を発表した5日後に決断という迷走ぶりも不可解だった。

 3年前には、江角マキコ不倫報道に対応するなかで引退。彼女は今年も、別の不倫で騒がれている。しかし、不祥事はそれ以前にもあった。長嶋一茂との「落書き」トラブルだ。

 これは2012年、長嶋家の壁に「バカ息子」という落書きがされたことについて、2年後、江角のマネージャーが自分の仕業だと告白したというもの。これが打撃となり、引退時には仕事は激減していた。

 皮肉なのは、長嶋が売れ続けているため、この落書き騒動がよくネタになり、これで引退したかのようなイメージが存在することだ。もっとも「不倫で引退」「バカ息子」で引退、どちらが江角にとって好印象かは不明だが!?

'10年2月23日、娘を幼稚園に送り届けて帰宅する江角マキ子
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