炭治郎の妹、竈門禰豆子(かまど・ねづこ)『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』((c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable/東洋経済オンライン)
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――鬼滅がテレビで放送されたのは、いわゆる「深夜アニメ」の枠でした。それにもかかわらずファミリー層にまでファンが広がったのは、動画配信サービスの普及が関係していそうですね。

 今や鬼滅が深夜にテレビで放送されていたということを知らない方も多いでしょう。それくらい、配信でアニメを見るのが生活に浸透しました。

 しかも「この作品を見たいからこのサービスに加入する」のではなく、自分が加入しているサービスで見られるものを見る、というのが生活の中での自然な動線となっています。となると、作品を多くの人に届けるためにわれわれが考えたいのは、配信するのに最も適したチャネルを1つ考えるのではなく、皆さんが持っている動画視聴の動線の中に作った作品を置いておくことです。

 だからといって、「テレビはもうダメでこれからは配信の時代だ」というわけではありません。同時視聴を楽しめるテレビ放送は、コンテンツの盛り上がりを作るうえで不可欠です。例えるなら、夏の音楽フェスのような盛り上がりを作ることができます。

 ジブリの『天空の城ラピュタ』をみんなで見ながら、ツイッター上で(劇中に出てくる有名なセリフである)「バルス」と投稿して盛り上がるのって、楽しいですよね。ドラマの『半沢直樹』も、放送中にネット上で「土下座」がトレンドワードになって盛り上がる。こういうテレビの楽しみ方は、すごく今っぽい。

 そして、同時視聴が盛り上がると、SNS(交流サイト)上で「なんだかすごかったらしい」と口コミが広がります。それを見た人があとからその熱狂に加わる手段として、これまではDVDを見るしかありませんでしたが、今では配信サービスに気軽にアクセスすればいい。最近では、「ネットフリックス」のボタンがついているテレビのリモコンもあるくらいですから。

アニメの2次利用方法が多様化している

――配信サービスを通じた視聴が拡大したことで、会社全体の収益構造にも変化があるのでしょうか。アニメ事業はかつて、DVDなどの映像パッケージが収益柱でした。

 収益基盤は多様化しています。昔は、放送したアニメを2次利用する方法が、映像パッケージやグッズくらいで、結果的にそれが収入の大半を占めていました。それが今は、ほかに配信料があり、さらには海外展開や企業とのタイアップなども伸びています。結果として、映像パッケージの占める比率は小さくなりました。ただアニプレックスの場合は、パッケージ売上高の絶対額がそれほど減っているわけではありません。