松本人志がGOサインを出せば

 ここで、冒頭の放送作家の意味深な発言に戻る。

 大みそかに放送される『ガキの使い~』で、渡部の収録分がオンエアされることはないと見通し、次のように明かす。

「本当なら12月にも、渡部の追加収録がありましたが、それも飛びました。12月9日には、毎年恒例になっているダウンタウンやココリコ、月亭方正が出席する会見が日テレ局内で設定されていましたが、中止になりました。

 大みそかに放送された分やされなかった分も含め、例年新年の『ガキ使』で、名場面や未公開映像を再編集してオンエアするんです。そこで渡部の映像がオンエアすることは、これからの世間の渡部への嫌悪感の消滅ぐらいによりますが、大いにあり得ます」

 と断言しながらも、「ただし」と続ける。

「ただし、松本の意向次第です。松本がゴーサインを出せばいける。最悪、オンエアはダメでも、動画配信サイト『Hulu』で配信することもできるし、DVDには収録できる。それだったらスポンサーを考慮する必要はありませんからね。お蔵入りしてもお蔵入りしない、というのはそういう意味です」

 会見では復帰のきっかけをつかめなかった渡部だが、今後も折れずに、復帰の道を探る自由はある。テレビやラジオから出演オファーが来るかは本人の意向だけではどうにもならないが、会見の失敗を紙媒体で取り戻す方法はある。

「『週刊アサヒ芸能』でテリー伊藤が対談をやっていますが、あの企画は汚名返上にうってつけですよ。ほかの週刊誌だって、インタビューを受ける、会見で語れなかったことをすべて語ると売り込めば、食いついてきますよ。栄光と転落の物語を人は好みます。書籍を書いてもいい。

 それから、彼はコントができるので、相方の児嶋一哉とまた、所属する人力舎ライブに出演して、コントを見せてほしいですね。ライブに出演する分には、誰も文句は言わないし、相方の理解と事務所の決断だけでできますからね」(フリー編集者)

 もはや渡部には、グルメやうんちくといったモテ要素はなくなった。だが、コントというベースはある。

 ダウンタウンの松本は「相方と向き合え」と指南した。相方と向か合えば、そこにあるのはお笑いだけだ、ということがわかるからだ。

 落ちるところまで落ちた。  

 あとは、妻の佐々木希(31)の「何十年後に振り返って、この騒動がよかったんじゃないのと思えるように」という言葉を励みに上がるしかない。

〈取材・文/薮入うらら〉