'99年9月、ハワイ・ホノルルでのクルーズ客船で行ったデビュー記者会見から約20年。ついに国民的アイドルグループ・嵐が、12月31日をもって活動を休止する。

 週間シングル通算1位獲得作品数は54作、週間シングル連続トップ10入りは58作連続で、全アーティスト歴代1位。ミュージックDVD・BDの総売り上げ枚数は合計約1505・3万枚で歴代1位。YouTubeチャンネルの登録者数は、日本最速で100万人を突破。ジャニーズ1位となるファンクラブ会員数300万人超え(2位の関ジャニは約70万人/グループではないジャニーズジュニア情報局は除く)。昨年の天皇陛下即位を祝う『国民祭典』における奉祝曲披露──。

 快挙の数を挙げればキリがないほど、モンスターグループへと飛躍した嵐。しかし、その裏にはなかなかブレイクできない“夜明け前”があったことも事実。

 今回、週刊女性では『あなたが選ぶ嵐のベストソングを教えてください!』と題し、読者にアンケートを実施。読者の声に加え、書籍『嵐はなぜ史上最強のエンタメ集団になったか』に寄稿するなどジャニーズに詳しいライター・田幸和歌子さんの解説とともに、嵐の足跡を振り返る。なぜ、嵐は“国民的”な存在になりえたのか!?

聴くたび泣きそうになる嵐ソング

 ファンが選ぶ第1位は、『A・RA・SHI』。デビュー記者会見から2か月後の'99年11月、『バレーボールワールドカップ1999』のイメージソングとして発表された本作は、いきなりオリコンシングルランキングで1位を獲得。20年たった今も、人気が色褪せていないことを証明した。アンケートでは、

「嵐がデビューしたころに仕事で行き詰まっていたが、この曲が街で流れてくるとなんだか頑張ろうと思えて、口ずさんでいたことを思い出す」(38歳・販売業)

「デビュー曲で、高校のとき通学途中にいつも聴いていた。元気をもらえる」(27歳・主婦)

 との声が。実はこのデビュー曲、2020年に発売されたシングル『カイト』が更新するまで、嵐の全シングルの中で累計売り上げ枚数(97万枚)が最も多かった曲。また、上位にランクインする『感謝カンゲキ雨嵐』も初期嵐を代表する人気曲だ。

「自分たちは泣いて生まれてきたのだからピンチに強いんだ、というメッセージを聴くたび泣きそうになる。好きな嵐ソング数あれど、これが私のNo.1」(40歳・主婦)

「ライブでこの曲を聴いたときに、嵐からファンに感謝の気持ちを言っているように聴こえてすごく好きです! 最近あったアラフェスでも歌ってくれて、それを聴いたときに、21年ありがとうと言っているように聴こえました」(48歳・販売業)

 初期の嵐の魅力について田幸さんは、次のように説明する。

「櫻井さんのラップパートを含め、ほかのジャニーズグループが歌わないような曲を歌っていた。とてもチャレンジングな曲が多く、カッコいい音作りが印象的でした」

 2nd『SUNRISE日本/HORIZON』はグループ初の月間1位を奪取、続く3rd『台風ジェネレーション』もオリコン3位と健闘し、順風満帆にブレイクしているように見えるが、この時期の曲は今回のアンケートでは下位に沈んでいる。

「曲のクオリティーが高い一方で、みんなで踊ったり歌ったりできないアイドルらしからぬ曲が多かったため、一般層に届きづらいところがあったと思います」(田幸さん)