全体リハでは
熱愛報道のあった2人を狙う

――そんな自由な取材時代を経て、いまではアーティスト各々のリハーサルに取材が入れないことも増えてきたと聞きました。

Yさん「昔はなかったんだけどね。たぶん、90年代のビジュアル系が出てきてから、すっぴん問題とかでいろいろうるさくなった気がする」

Tさん「GLAYとか?」

YさんL'Arc〜en〜Cielかな。私が覚えている限り、(リハーサルを撮影できなかったのは)ラルクが初めてだったと思う

Tさん表記も厳しかったよね。大文字と小文字を間違えないでください、省略して“ラルク”と書かないでくださいって。バカにしてんじゃないよ! って、ちょっと物議を醸した(笑)

Yさん「まぁ、当時はバンドブームもあったし、彼らも売れてたわけだから、NHKとしても出てもらってる以上、そこは強制はできなかったのかな。そこからあゆ(浜崎あゆみ)とかアイドルとか、リハーサルの撮影NGが多くなっていった感がある」

Hさん「いまは、だいぶ撮れる人が少なくなってきましたよ。どこかがNG出して、それがとおるなら、“うちも撮らせない”みたいになりますよね。すっぴん問題もありますけど、演出とかゲストのネタバレ防止とかもあるんでしょうね。僕らも本番までまったく知らされないサプライズな演出もありますから

Tさん「確かに。あと、個々のリハとは別に、オープニングとかエンディングとか全員が揃うリハになると、歌手の方がバーってステージに並ぶんだよね」

Hさん「SMAPと五木ひろしさんとか、安室(奈美恵)さんと和田アキ子さんとか、意外な組み合わせが絡んでたりして、面白いですよね」

Tさん「そう。普段はなかなか見られない2ショットが撮れたり。リハに来られない歌手もいるから、その場合はスタッフが名前の書かれたプラカードみたいなのをぶら下げて立つんだけど、そのときスポーツ紙の記者さんがまず何をするかと言ったら、(かつて熱愛報道のあった)松田聖子さんと郷ひろみさんの立ち位置をすぐに確認する。そこで微妙な距離にいたりすると、“松田聖子と郷ひろみがニアミス!”って見出しの記事が作れる(笑)

Hさんははは(笑)。僕らは浜崎あゆみと(TOKIOの)長瀬智也、aikoと(TOKIOの)国分太一。2人が1枚の写真におさまるべく、狙ってましたね

Tさん「ありがたいことに、NHKってすごく真面目で、そのリハどおりに、忠実に、本番をやるんだよね」

『第64回紅白歌合戦』リハーサル中の紅組司会・綾瀬はるか('13年)
【写真】意外? じゃれ合う和田アキ子と安室奈美恵

Yさん「そう、きっちり!」

Tさん「ヘンな話、司会者の冗談もそこで言わせるの。台本みたいなのがあって」

Hさん「全部カンペが出てるんですよね。いまは液晶ですが、昔はスケッチブックのカンペが用意されてて。あるとき、白組司会の嵐がちょっとアドリブを入れたんですが、紅組司会の綾瀬(はるか)さんは台本どおりなんですよ。嵐がボケても、綾瀬さんはスルーみたいな(笑)。それがまた、面白いんですよね

Tさん「そう。でも、今年は司会者が大泉(洋)さんだよね? 大丈夫かな」

Yさん「う〜ん、大変そう(笑)」

『中居正広から肩を寄せらせ、古舘伊知郎からは熱いハグ、「距離」が近かった紅白取材』に続く