“どこかに誰かがいそう”な最恐心霊スポット

 昨年末に現場を訪れてみると、煉瓦色のその廃墟は、辺り一面が真っ白い雪に覆われた、なだらかな山間にぽつんと立っていた。外壁の窓ガラスはすべて割られ、真っ暗な室内が異様な雰囲気を醸し出している。

 ひざ下まで積もった雪を踏みしめ、小高い丘を上って廃墟に近づく。正面玄関とみられる場所は、落書きされたトタン板で一面が覆われ、破れた穴から中へ入ると、暗闇が広がった。ロビーだろうか。目をこらすと、両側に螺旋状の階段が見え、天井は骨組みがむき出しになっている。

最恐心霊スポットの内部。コロナの書き込みがあることから今でも人の出入りは多いと見られる。日中でも真っ暗で女性2人で行くには相当な勇気がいる
最恐心霊スポットの内部。コロナの書き込みがあることから今でも人の出入りは多いと見られる。日中でも真っ暗で女性2人で行くには相当な勇気がいる
【写真】日中でも真っ暗、“誰かがいる”気配がする「坪野鉱泉」の内部

 螺旋階段を伝って上階へ上がると、壁やドア、柱には落書きだらけだ。

 客室は2階からで、内装を見る限り和室のようだ。壁はぼろぼろにはがされて木枠が顕わになり、窓ガラスの破片が粉々に散らばっていた。エレベーターのドアは半開きの状態で、中は真っ暗な空洞だ。

 廃墟には小1時間ほど滞在したが、日中にもかかわらず、どこかに誰かがいそうで、時折寒気を覚えた。

 屋敷さんらは当日、魚津市にいたことは確認されているが、この廃墟を訪れたかどうかまではわかっていない。

『月刊北國アクタス』という雑誌が、2人の失踪を特集する記事を'97年6月号に掲載しているが、その中に、県警の話としてこんな記述がある。

《廃墟ビル周辺では血痕や着衣など被害者の遺留品らしきものは何も見つからなかった》

 2人は肝試しをしたのだろうか。だとしても、廃墟で事件に巻き込まれた可能性は低そうだ。実は失踪から四半世紀になろうという昨年、この2人は意外な場所で発見されていた。

「車が転落するのを目撃した人物がいる」

 昨年3月上旬、射水市にある富山新港の海底に、軽自動車が沈んでいるのが見つかり、車内から複数の人骨が発見された。DNA型鑑定の結果、人骨は屋敷さんら2人のものと特定した。

 この発見につながったのが、'14年末に県警に寄せられた、「'96年のゴールデンウイークに旧海王丸パーク付近で車が転落するのを目撃した人物がいる」という情報だ。県警は、この情報を基に調べを進め、目撃者の男性3人を特定。こんな証言を引き出した。

「運転席と助手席に乗っていた女性に声をかけようと近づいた際、車が後ろ向きに急発進し転落した」

 しかし、3人は「怖くなって立ち去った。通報はしなかった」と話したという。