YouTuberのお金事情

5月下旬、魚の切り身を会計前に食べるへずまりゅう(Youtubeより)
5月下旬、魚の切り身を会計前に食べるへずまりゅう(Youtubeより)
【写真】坊主頭で痩せていた、高校生時代のへずまりゅう

 また、へずまりゅうは商品に言いがかりをつけて返品を迫る動画を撮影、投稿したとして威力業務妨害と信用毀損の罪で在宅起訴もされている。

 そういった迷惑系はこれまでにも問題視されてきた。例えば“白い粉”が入った袋を交番前にわざと落として走り去り警察官に追跡させたYouTuber、渋谷のスクランブル交差点にベッドを置いて寝たYouTuber、中にはお墓の上に登って騒ぎ出すとんでもないYouTuberも……。

 こういった一部の人物による行為が「YouTuberの質」を落としているが、そもそも人としての本質を疑ってしまうようなYouTuberが生まれてしまう背景には何があるのか。

『人としてどうなの?』というYouTuberが生まれてしまうのではなく、我々の中に人としてどうかと思う人が存在しており、その人がたまたまYouTuberになったため、表面化したのが実情です

 そう話すのは、炎上について詳しいITジャーナリストの篠原修司さん。確かにYouTubeに関係なく迷惑行為をする人たちは他にもたくさん存在する。だが、そんな中でもYouTuberはほとんどが“顔出し”、迷惑行為をするにはそれなりのリスクもある。

 それでもなお、悪質な行動に走ってしまう根底には、やはり「有名になりたい」という気持ちが大きいという。そんな迷惑系YouTuberはいつごろから目立ち始めたのだろう。

2015年に起きた“つまようじ少年事件”でしょうか。少年がお店の商品につまようじを刺して穴を開けるという迷惑行為をした事件です。犯人の少年は警察の捜査の手から逃げ、その間も逃走動画を公開するなどして注目を集めようとし続けました。“有名になりたい”という欲望に負けた結果、少年が自分で自分の人生を狂わせてしまった悲しい事件です。

 あと迷惑行為に走ってしまうのには、“注目を浴びてお金儲けしたい”というのも大きな理由。ただ、その行き着く先は、やりすぎによる逮捕です。その時点で金儲けはできなくなります。有名になれたとしても悪名は消せません。ゴールがないためメリットもない。それに気づけない人が迷惑系YouTuberになるんだと思います」(篠原さん、以下同)

 実際、再生回数が多くなるほど“稼げる”“有名になれる”わけで、YouTuberが再生回数を伸ばすために躍起になるのには無理もない。

 いくらくらい稼げるものなのだろう。

一般的には1再生あたり0.1円と言われていますが、これは古い情報。単価は季節によって異なり、1再生あたり0.2~0.3円で変化します。たとえば12月や3月は年末、年度末の予算消化のため1再生あたりの単価が高くなる。ただ、これも公開する動画のジャンルや長さによって異なるため、一概にこの数値に収まるとは言えませんが」

 超人気YouTuberともなれば年収何千万円も夢じゃない。“億越え”も存在するというから驚きだ。