とまあ、先輩という立場はそれ自体が老害へのリスクにつながりやすい。特に「昔はよかった」的な説教は鬼門だ。哀川翔は数年前『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で、

最近の若い子たちは、仕事が終わったらすぐに帰る。それが納得いってない。自分らは絶対飲みに行ってましたから

 と発言。同世代の長嶋一茂も同調して、若手に苦言を呈する典型的な老害コラボが繰り広げられた。「今はお酒臭いって人はいない。昔はよくいましたよ」と言う長嶋に対し「お酒を飲むと僕は特に顔がむくんじゃうんで」と若手が反論。すると、哀川は「そんなのどうでもいいじゃん。ベロベロでもちゃんと現場に来るっていうのが人間味ありましたね」と返した。

 哀川も長嶋も、体育会系っぽい気質。上下関係が大好きな人は、そこが仇になりがちだ。お笑いでは、とんねるずの石橋貴明にもその傾向が。数年前『たいむとんねる』(フジテレビ系)で若者言葉を取り上げ「“自分的に”って意味がわからない」などと主張した。

 しかし、石橋も若いころは覚えたての業界言葉を使いまくって広めた人。昔の自分を棚に上げての発言は、老害感をますます強めるだけだ。

 ほかには、クワバタオハラのくわばたりえが『好きか嫌いか言う時間』(TBS系)や、『妻は怒ってます』(フジテレビ系)などのバラエティー番組での発言で老害呼ばわりされたことも。世の「母親代表」みたいにしゃべりがちなところが、もっと若い女性たちの気にさわったようだ。嫁姑バトルの激しさが示すように、女性同士のほうが世代が違うとぎくしゃくしやすいのかもしれない。

「態度が大きい」「発言が前時代的」など視聴者からツッコまれたくわばたりえ
「態度が大きい」「発言が前時代的」など視聴者からツッコまれたくわばたりえ
【写真】“老害”とネットで疎まれつつある芸能人たち