【3】定位置を決める

 リバウンドしない収納の最大のポイントは、使用頻度の高いものは使う場所から手を伸ばせば届くくらいの近い位置に収納。

「もののカテゴリーにこだわらず、使うシーン別と頻度にまとめて手の届く位置に収納することで、毎日の片づけがぐっと楽に」

 使うシーン・頻度別にグループ分けしたら、ワンアクションで出し入れできるケースに立てて入れる。リビングでメイクする人はコスメも文房具と一緒に置いてOK。

 使用頻度の低い分類は箱につめて押し入れへ。使わないものをバックヤードへ収めることで身近なスペースに余裕が生まれ、出し入れしやすい収納ができる。

 ふた付きの箱は積載効率が高く、同じ面積によりたくさん収納できる。使うとき出しやすいように、使用シーン別に入れること。収納が足りない場合、ベランダやキッチンの戸棚上など、家中の空きスペースを柔軟に活用。

 たまった書類はどうすれば?

「契約書など保管義務のある書類以外は、スマホアプリなどでデータ化するのが便利。また、取扱説明書はほぼネット上で閲覧が可能。保証書以外は廃棄しても、困ることはありません」

 入りきらないものが出てきたら?

「使用頻度の少ないものは外部の収納サービスを利用することも検討を。トランクルームや宅配型など、最近は種類も増えています。預けたいものや使う頻度に合ったサービスを探してみては」

【4】使ったら​戻す

「戻す」とは、使ったものを定位置に戻す作業のこと。片づいた部屋をキープするためには、毎日行う必要がある。手間に感じるが、「分ける」「決める」のフローがマニュアルどおりにできていれば、「戻す」ことにかかる時間は、ひとり暮らしの場合では5分もあれば十分、と米田さん。

「毎日の片づけに家族の人数×5分以上の時間がかかる場合は、ものの定位置が悪いということ。見直しが必要です」

リモートワークの悩みはこれで解決!

 リモートワークの増加で、読者からよく寄せられる部屋のお悩みを、米田さんが解消します!

〈お悩み〉家族が片づけに非協力的で困る!

 家族それぞれの専用スペースを設けるのがおすすめ。片づけのストレスを軽減してくれる。例えば夫専用のスペースは、どんなに散らかされても片づけは夫にお任せするルールに。部屋を区切るのが難しい場合、個人専用カゴを用意するのも手。自分がどれだけ散らかしたかが視覚的に認識できるので、片づけを促しやすいというメリットも。

〈お悩み〉リビングで仕事をされると落ち着かない!

 書斎がなくても、寝室やリビングなどに1畳分だけすき間があれば、立派なワークスペースが作れます。用意するのは、パソコンデスクと椅子、仕事道具を保管するカラーボックスのみ。デスクは壁や窓に向けて、作業中、家族と目が合わないように配置。背中側はパーティションで区切れば、リモート会議中の映り込み予防に。

(構成/中村明子)

近著『集中できないのは、部屋のせい。』(PHP出版)※記事中の画像をクリックするとアマゾンの商品紹介ページにジャンプします
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《PROFILE》
米田まりなさん ◎整理収納アドバイザー。東京大学卒業後、住友商事に入社し、2018年より株式会社サマリーに出向。自身の経験や100万人の“モノデータ”を扱うサマリーでの消費者調査に基づいた「捨てないお片づけ」を提唱。近著『集中できないのは、部屋のせい。』(PHP出版)