菅首相の“本音”が飛び出た言い間違い

 菅首相は官房長官時代にも、重大な言い間違いをしている。'19年3月11日に開かれた東日本大震災8周年追悼式の開式の辞で“追悼式”と言うべきところを“記念式典”と言ってしまったのだ。同日に行われた記者会見で、言い間違いを謝罪した。この騒動に対して藤井先生は、

「菅首相は“記念式典”にいっぱい参加されているんだろうなと思いました(笑)。だからポロッと出てしまったんだと思います」

 1月13日、緊急事態宣言の対象地域拡大を伝える際、“福岡”“静岡”と言ってしまったことには、

「特別な感情があるわけではないと思います。自分の中でよく行く場所だったり、言いなれた言葉をつい選んでしまっただけでしょう」

 この2つにはあまり意味は感じない、と藤井先生。だが、菅首相の本心が表れた言い間違いがあるという。

「1月22日、緊急事態宣言の延長について“翌月まで延長”を“翌日まで延長”と言ってしまったことがありましたよね。あれに関しては、菅首相の深層心理が表れています。さすがに翌日までとは思っていなかったでしょうが“緊急事態宣言をなるべく早く終わらせたい”という思いでしょう。GO TOトラベルを推し進めていましたから」

 見られ方や話し方を気にしすぎてしまうことで、話す内容の注意力のキャパシティーがいっぱいになって、ついつい本音が出てしまう。

「このときは菅首相の“自分はこの方向性で進めていきたい”という思いが完全に透けてみえましたよね」

一方的なお願いばかりする答弁も

 言い間違いだけでなく、菅首相の一方的なお願いばかりする答弁も気になる、と藤井先生。

「国民全員でコロナに立ち向かっているわけですから、見返りを求めるものではないのですが、通常の人間関係に置きかえると、お願いばかりされていると受け入れられなくなるもの」

 昔の政治家は今よりも権威があったのでトップダウン的な考え方も受け入れられたが、

「SNSを通じてほかの人がどんな意見を持っているのかをみんながわかる時代。いい意味でも悪い意味でも物事を客観的に考えられるようになっています」

 そんな現代においては、

「“一緒にやりましょう”“僕はこれをやりますから、みなさんはこれをしましょう”という“取引”のようなコミュニケーションが受け入れられやすいです」

 そんな菅首相にも、コミュニケーションにおいて評価できる部分もあるという。

「あの朴訥さは、国民に好意的にとらえられているでしょう。菅首相は話すと独特のイントネーションがあって、そこにポジティブなイメージを持つ人もいます」

 日本人は郷土意識が強く、その地方に住んでいなくても、方言を話すだけで好印象を持たれる傾向は高いという。

「関西弁の芸人さんが全国的に人気が出るのはそういった理由があります」