マスクが生活に欠かせなくなって約1年。おかげでマスクの鼻に当たる部分を、アレと言わずに『ノーズフィット』と呼べるようになった人も多いだろう。

 すべてのモノに、ちゃんと名前があるのだ。

「ここで紹介したようなモノだけじゃなく、あらゆる現象にも名前があります」

 そう話すのは、雑学ライターの杉村喜光さん。

自慢したくなっちゃう「呼び名の雑学」

 例えば、ひじをぶつけてジーンと痛くなる現象は、

“ファニーボーン”です。しびれて感覚がおかしくなることから“おかしい=funny”と言われるようになった説が有力です」(杉村さん、以下同)

 かき氷を食べると頭がキーンとなる現象は“アイスクリーム頭痛”。アルミホイルを噛んだときにビリビリッとする現象は、発見した科学者の名前をつけた“ガルバーニ電流”という。

 あの生理現象にも名前がついていた─。

小便をしたあと、ブルッと震える現象は“ジバリング”と言います。尿の放出によって低下した体温を元に戻そうとして身体が震えるんです

“見ちゃダメ!”などと禁止されると、かえって見たくなっちゃう心理効果にも名前があるようで、

「その名は“カリギュラ効果”。アメリカで放映された映画『カリギュラ』が過激すぎたため上映禁止になったところ、かえって注目を集めてしまったことに由来しています」

 大人になると1年がどんどん短く感じる─。そんな心理効果は、

“ジャネーの法則”と言います。19世紀フランスの哲学者ポール・ジャネが解き明かしたことから名前がつけられました

 そんな大昔の哲学者が考え出した理由とは……。

若いころは1日の中にさまざまな新しい経験があるが、年をとるとすべてが当たり前となる。すると感情が動くことが少なくなって時間がすぐに過ぎてしまう、と言われています