つみたてNISAの素朴な疑問 Q&A

 いざ始めてみると「?」と思う細かな疑問点をピックアップ。事前にチェックし、スムーズにスタートを。

Q)つみたてNISAを始めたら、どのぐらい口座を確認すべき?
A)放っておくぐらいがいちばんです

投資初心者であれば、動向が常に気になるものだと思います。しかし、こまめに確認をして一喜一憂していたら長期投資が気持ち的に負担になってしまうことも。確認は数か月に1回程度でもいいと割りきりましょう。

Q)20年たったら必ず解約しないとダメ?
A)解約しなくても大丈夫

つみたてNISAの非課税期間は最長20年だが、20年たったら全額解約しなければいけない…ということはない。運用を続ける場合、20年以降の運用益には課税されるが、投資信託を持ち続けることもできる。また解約時には、一部だけ解約するなど、好きなタイミングで解約することができる。

Q)40万円の非課税枠は、翌年に持ち越せる?
A )持ち越せません

40万円というのは、1月から12月までの1年間に使える枠。あくまで1年間で使える金額となる。仮に9月から月2万円のつみたてNISAを始めた場合、12月までの4か月間で合計8万円を投資することになり、枠としては32万円が残ってしまうが、それを翌年以降に繰り越すことはできない。

Q)自分で好きなときに投資信託を買える?
A)買えません

つみたてNISAは「定期的に」「継続して」商品を購入する必要があるため、「自分でタイミングを見て買う」「年に2回好きなときに買う」などはできない。毎月1回定額を積み立てるのがオーソドックスだが、それ以外にも週に1回や毎日積み立てを行うことも可能。また毎月の積み立てに加えて、ボーナス時に積立額を増額できる金融機関も。

Q)1回あたりの積立額に上限はある?
A)年に何回積み立てるかによって違いが

例えば毎月(年12回)積み立てをするなら、40万円÷12回で、1回当たりの上限は3万3333円。また年の途中から積み立てを開始する場合、9月から始めたとして、その年に4回積み立てができるので、40万円を4で割った月10万円が上限に。ただ積み立は分散投資が適しているので翌年は必ず積立額とタイミングの変更を。

Q)積み立てている商品を、途中で変更することはできますか?
A)できる

「1月から6月までA投信を積み立てていたが、7月からはB投信を積み立てたい」という場合は、設定の変更をすればOK。A投信はそのままつみたてNISA枠内で運用を続けることもできるし、解約して現金化することも可能。ただし、解約した場合は、NISA枠ではなくなる。また、解約したお金でつみたてNISA枠内の他の投信を買うことはできない。

Q)投資信託の分配金再投資コースを選んだ場合、分配金は再投資できる?
A)できるが、購入とみなされる

分配金とは投資信託の利益から投資家に還元するお金のことで、決算時に支払われることがある。これを年間40万円の範囲内であれば再投資することは可能。ただし、40万円の枠を消費することになる。金融機関によっては再投資できない場合も。

Q)選ぶ商品によってはハイリターンは可能?
A)ハイリスクを負わないハイリターンはない

長期の安定した運用ができる、といった目的で選ばれた商品が多いので過度なハイリターンは期待できません。ただ、その中でも国内より海外、債券より株式、リートの割合が多い商品を選ぶことによってハイリターンの可能性も。ただリスクもあることを忘れずに。

(取材・文/樫野早苗)

《PROFILE》
竹内弘樹 ◎ライフパートナーズ株式会社代表取締役。投資信託・株初心者アドバイザー。独学で株式投資を学び、ウェブサイト「やさしい投資信託のはじめ方」を設立。わかりやすい解説と堅実な投資手法に定評が。