家事や仕事が一段落
ひと息つく瞬間が危険

 脳卒中のリスクを高める生活習慣病を防ぐには、食事に気をつけるのはもちろん、睡眠をきちんととり、ストレスを防ぐことが大事。

 また、すでに血圧や血糖値が高めで、健康診断の結果などで、血管のしなやかさや血液の状態に自信がない人は、脳卒中を防ぐため、急激な血圧の上下を避けるべきだと内野先生。

「特に自律神経、すなわち交感神経と副交換神経が切り替わるタイミングが危険です。いちばん気をつけてほしいのが朝。睡眠中は副交感神経が優位で、血圧も低く、90〜50くらいです。それが起きるといきなり140〜70にはねあがってしまう。そのとき血管に負担がかかるわけです」

 意外なことに、血圧が下がるときも要注意。

家事や仕事を終えてホッとする時刻も気をつけて。血圧がギューンと下がると、血液の流れが遅くなり、細い血管に血栓が詰まることがあります。根を詰めて何かをしているときは脱水になりがちで、血液がドロドロになっているのでさらに危険です」

イラスト/水口アツコ
イラスト/水口アツコ

血圧の急な上下を抑える
 朝はガバッと起きていきなり活動しないこと。「おすすめは、枕元にコップ1杯の水を置いて、目覚めたら飲むこと。これにより、自律神経のスイッチがゆるやかに切り替わり、血圧の急激な上昇を抑えられます」

眠りで脳をスッキリ!
 質のよい睡眠をとると、ノンレム睡眠(深い眠り)の間に、認知症の原因になる脳のゴミ(アミロイドβなど)が脳内からしっかり洗い流される。

ストレスを予防
 ストレスは、自律神経を乱し、血圧の急激な上下など、血管に負担をかけます。1日数回でいいので深呼吸をして、自律神経を整えましょう。