疑っても夫のLINEを見るのはNG!

 夏菜子さんのように夫の不倫が疑われた際には、確たる証拠を得るために探偵社に相談をするのも手。しかしその際、依頼者が「絶対にやってはいけないこと」があるのだとか。

総合探偵社・株式会社MR代表取締役の岡田真弓さん
総合探偵社・株式会社MR代表取締役の岡田真弓さん
【写真】総合探偵社を設立して18年、浮気調査のプロである岡田真弓さん

「探偵に依頼をしたら、ヘタに夫を問い詰めないこと。警戒心を持たれると不倫調査に影響が出ます。またご自身で夫の携帯を漁って、LINEを見ようとする方もいますが、避けたほうがいいですね。

 離婚協議で、慰謝料請求をするときに確たる“証拠”として認められるのは、性行為の場面を写した動画や写真、ホテルに出入りする写真などの探偵による報告書です。LINEはあくまでも状況証拠です。夫の怪しいLINEを見て精神的なダメージを負うよりも、調査期間中はすべてプロにお任せをして、自分はリフレッシュするぐらいの心持ちのほうがよいですね」(岡田さん)

 たとえ、不倫調査の結果が「クロ」だった場合も、夫婦関係はそこで終わりではありません。実際に岡田さんが見てきた中でも、浮気や不倫という修羅場を乗り越えて、関係を修復してきた夫婦も多いのだとか。

「つらい事実にどう向き合い、夫婦関係をどう改善していくか。そこが重要だと考えているので、弊社では調査中から調査後1か月は無料で専門カウンセラーによるカウンセリングを行います」(岡田さん)

 なにより大事なのは、浮気を知ったショックや怒りでカッとなって判断をしないこと。

「愛人に慰謝料の請求するのも、その事実を知ってから3年という猶予があります。離婚をするにしても、夫婦生活を続けるにせよ、慌てずに第三者に相談をして、一度冷静になったほうが心の傷を癒やしつつ、有利な条件で進められます」(岡田さん)

 前出の夏菜子さんも「すぐには離婚は考えていません。まずはカウンセリングで傷を癒やして、愛人にはガッツリ慰謝料を請求したいですね」とニッコリ。

 加齢や外見の変化は、誰しも気になるもの。しかし若さと美を保てば、必ずしも夫の愛情を手元に引きつけておけるわけではない。また中高年の浮気や不倫では、ルックス以外に愛人に求める要素が大きい──男女の欲が渦巻く不倫の現場には、美醜を越えた複雑さが横たわっているのです。

※プライバシーを守るため、実際の事例を一部変更、再構成しています。

《取材・文/アケミン》