全力のプロデュースがテレビマンを魅了

 NiziUがスタッフとキャストを前のめりにさせている主な理由を下記に挙げていこう。

 各局のテレビマンや制作会社のディレクターなどと話をしていると、「この1年でスキルが急速に伸びている」「生放送に耐えうるパフォーマンスの質がある」「今どきテレビ番組に、積極的に出演してくれるのは貴重」「CDでも配信でも売れるアーティストは少ない」「テレビ業界で最も求められている若年層からの支持」「とにかく広告主の反応がいい」「こういうグループは日本の芸能史上いなかった」など、さまざまな長所が次々に飛び出してくる。

 もはや『Nizi Project』うんぬんや、アイドルどうこうではなく、番組への貢献度が日本人アーティストの中でトップのようなのだ。

NiziUとJ.Y.Park(NiziU公式インスタグラムより)
【写真】日本と韓国、美脚すぎるアイドルたち

 なかでもテレビマンたちを驚かせているのは、労力や手間を惜しまず、全力で数字と評価を得ようとするプロデューサー・J.Y.Parkの手腕。

 たとえば、『Take a picture』は年始からコカ・コーラのCMで流されていたほか、『Make you happy』の縄跳びダンス、『Step and a step』のラビットダンスに続くナンバーダンスを仕掛けた。

 しかもミュージックビデオはダンスや歌唱だけでなく、衣装やヘアメイクもめまぐるしく変え、何度でも見たくなるように作り込んでいる。

 まずCMで楽曲を耳になじませて、ミュージックビデオ公開やリリースを待望させ、さらに踊ってSNSにアップしたくなるダンスを用意し、衣装やヘアメイクでも漏れなく魅了。さらに、『Take a picture』は6日にダンスに特化した動画『Dance Performance Video』も公開してファンを喜ばせた。

 韓国系アーティストは好き嫌いがはっきり分かれ、いろいろ批判も受けやすいのは間違いない。しかし、「やれることはすべて全力でやり切る」というプロデュースの実行力は凄まじいものがあり、それがテレビマンたちを引きつけているのだ。

 これほど強烈なメディアジャックをしているのに当の本人たちは、新人らしいフレッシュさがあり、常に笑顔で振る舞い、「ありがとう」と何度も深々と頭を下げている。

 そんな彼女たちを見たテレビマンたちが「ウチの番組にも出てもらいたい」と思うのは当然であり、逆に「ウチの番組だけ出ていない」という状態は責任問題に発展しかねない。少なくとも現時点では死角がなく、アンチを封じ込めてしまいそうなほどの凄まじいタレントパワーを持っていることは確かだ。

木村隆志(コラムニスト、テレビ解説者)
ウェブを中心に月30本前後のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。各番組に情報提供を行うほか、取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。