いまだにコロナ終息の兆しが見えないなか五輪開催の時期も近づき、2021年もあっという間に折り返し地点に突入。この上半期を振り返ってみると、芸能界、政界、スポーツ界、そして皇室問題と、数々の“スキャンダル”が勃発。『週刊女性』が追い続けた上半期スクープの中から、厳選した記事を再掲する。

《親は一人 生んでくれてありがとう》6月20日の父の日に、自身のインスタグラムを更新した花田優一。さも、“自分の親は母の河野景子だけ”とでも言いたげな内容だった。今なお、貴乃花とは“絶縁状態”あるのだろう。優一が語っていた大横綱の素顔とは(2021年2月16日号掲載 年齢は掲載当時のまま)。

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「こうしてお話ししている今も“これでいい”という気持ちと“言いたくない”という気持ちとが揺れ動いています」

 悲壮な覚悟を持って、そう語りだしたのは靴職人、アーティストとして活動する花田優一氏。“平成の大横綱”と呼ばれた貴乃花光司を父に持ち、母は元フジテレビアナウンサー・河野景子さんという有名な一家の長男だ。

 優一氏と貴乃花親子ゲンカ――優一氏がテレビやイベントへの出演など表立った活動が増えた'17年ごろから、貴乃花から優一氏への苦言や突き放すような厳しい態度がテレビや新聞、雑誌を賑わせてきたのはご存知のとおり。

 そこに貴乃花の元弟子・貴ノ岩暴行騒動に端を発する日本相撲協会とのトラブル、決別退職、そして妻であった景子さんとの電撃離婚……といった騒動が立て続けに起こり、それらの元凶が“長男・優一だ”とする報道がなされたこともあった。“不肖の息子”と言われ続けてきた優一氏が意を決して告白するのは、貴乃花と世間からの声に対する、自身の葛藤だ。

いままでずっと、僕は父については黙ってきました。父の発言に対して僕がひとつひとつコメントしたり、あるいは反論したり、父を悪しざまに言ったことは1度もありませんし、言いたいと思ったこともありません。そのいちばんの理由は“家庭内のこと”だと僕は思っていたからです。家族間での意見を世間様に晒すというのはみっともないことだと思っていたからです

発言は風化すると真実にすり替わる

 '17年1月に初めてテレビ出演して以降、自身もメディアや世間一般からよくも悪くも注目を集めるようになった。

ただ、だからこそ“何があっても父の悪口になるような発言はしない”ということが家族の、僕と母で取り決めたルールで。父や世間から何をどれだけ言われても黙っていれば、いずれ風化していくと信じていました

 優一氏の気持ちが変わったのは、1月22日に行われた、セキュリティー会社のオンライン会見。貴乃花が新CMキャラクターとして登壇したのだが、その席で貴乃花の口から衝撃的な発言が飛び出した。

《息子は完全に勘当しております》

 翌日には、ニュース記事として報道されたこのひと言に、優一氏は強いショックを受けた。同時に、憤りを覚えた。

「その場にいた記者の方々から僕のところに取材依頼がありました。もちろん、これまでどおり僕はコメントは出さずに黙っていました。でも、なぜ、僕に対してわざわざ強い言葉をメディアの皆さんの前で使うのか。やはり、納得できるものではありません。これまでも何度も、父は僕に対して限度を超えた事実と違う発言をしてきました」

 '17年11月に起きた“貴ノ岩傷害事件”に端を発する日本相撲協会との全面戦争でも、貴乃花の言葉に多くの人々が耳を傾けた。発信力ある公人の言葉は重く、強い。

影響力のある父の言葉がニュースになり、それが風化すると、同時にいつの間にか“真実”として世間に認識されていく……今回もきっと、このままだと真実になってしまう。その影響が僕にだけ降りかかってくるなら、いくらでも我慢します。でも僕にも仕事がある。僕には靴を待ってくださる方々、絵を購入してくださったお客様がいて、一緒に仕事をしてくれている関係先の方々、チームの仲間がいる。メディアを通して、間違った真実ができあがってしまうことで、お客様や関係先にまで大きな迷惑がかかる

 優一氏ひとりの問題ではなくなってきた、ということだ。

「言ってみれば僕も人気商売です。靴も絵もお客様に“この人に作ってもらいたい”と思っていただいて、初めて成立します。1足1足、1枚1枚、丹精を込めて作っています。真剣勝負している場所で事実と違うことを広められてしまうというのは、作品を見る視線までもが歪められてしまいます。たとえ父であっても、これ以上見て見ぬふりはできないと思いました」