『文春オンライン』が報じた人気Youtuber31人による緊急事態宣言下の“集団飲酒パーティー”。

 6月23日、報道によって詳細が明らかになるとYouTuberらを非難する声が殺到。翌24日、人気YouTuberが数多く所属する事務所UUUMが「当社専属クリエイターの行動に関するお詫びとご報告」と題する文章を公式サイトで発表。続けて、パーティーに参加したとされるYouTuberらが自身のSNSアカウントなどで謝罪した。しかし、一部の参加YouTuberが「おふざけ謝罪」動画を更新するなどして、再炎上。大きな批判をあびている。

 今回の件に限らず、大きなトラブルを起こすYouTuberが増加傾向にあるのは周知の事実だ。パーティーに集まったとされる31人のYouTuber全員のチャンネル登録者数を足しあわせると、約2400万人ほど。数字だけ見ると、その社会的影響力が大きいことは容易に想像できる。世間の反響を見るからに、いま、改めてYouTuberの「あり方」が問われているといえよう。

 そこで『週刊女性』では、取材を続けてきた迷惑系YouTuber「へずまりゅう」こと原田将大被告の「過去記事」を再掲載する(初出2020年7月24日、一部再構成。本文内の肩書き・年齢は当時のまま)。彼はスーパーマケットで会計前に刺し身を食べたなどとして窃盗や威力業務妨害、信用毀損(きそん)などの罪に問われている。6月22日、初公判が行われたばかりだ。

「悩みすぎて、首を吊ることも考えました……」
 
 沈痛な思いを打ち明けるのは、あの“迷惑系ユーチューバー”の両親だ。
 
 息子の名は、原田将大(しょうた)容疑者(29歳)。「へずまりゅう」(以下、へずま)の名でユーチューブに投稿を続け、理不尽な迷惑行為を続けている人物である。

 これまで、へずまは自身のユーチューブチャンネルで、有名ユーチューバーに対して動画の共演を迫り無理やり押しかける「凸撃」(とつげき)を繰り返してきた。凸撃先から弁護士を通じて警告書を送られることもあり、訴訟も複数抱えているという。また沖縄では昨年焼失した首里城の再建を願う寄せ書きに落書きをするなど、悪質な迷惑行為を続けてきた。

 今年の5月には、「店の商品、会計前に食ってやったぜー」というタイトルをつけて動画を投稿。愛知県内のスーパーで会計前の魚の切り身を食べる姿を公開していた。その後、店から通報があり、7月11日に窃盗の容疑で逮捕された。

 『週刊女性』は世間を騒がせ続ける男のルーツを知るために、山口県にあるへずまの実家を訪ねた。そこには、憔悴しきった様子の両親の姿が――。

ショックのあまり今も職場復帰できず

「逮捕されるまで、息子がユーチューバーをやっていたことさえ知りませんでした」
 
 そう語るのは、へずまの父親。「メディアの取材に応じるのはこの1度限り」と断った上で、取材に応じてくれた。

「山口県から東京へ上京していたことさえ聞いていなかったんです。最近は県内で居酒屋のバイトをしながら、新しい就職先を探していると言っていました」
 
 両親が初めて息子の本当の姿を知ったのは、今回の逮捕のニュースだったという。

「最後に帰ってきたのは6月の終わり。その後、連絡がまったくつかなくなり、心配で警察に相談しようか考えていた矢先の出来事でした」
 
 へずまは7月上旬から、新型コロナウイルスに感染しながらマスクもせずに県をまたぐ移動を繰り返した。山口県知事からは「なんてことをしてくれたのか」と名指しで批判。立ち寄り先の飲食店や観光地で休業が相次ぎ、県にはへずまと接触して感染を心配した人の相談が700件以上も殺到したという。

 さらに、逮捕後もマスク着用を拒み、警察官も感染し、移送先の拘置所でもコロナを撒き散らした。
 
 息子の傍若無人な迷惑行為を知った両親は青ざめる。

「これだけ人様に迷惑をかけた。実家が特定されて、いたずら被害に遭うかもしれません。隣近所や職場には“あれはうちの息子です”と謝罪して回りました」
 
 ショックのあまり、父親は逮捕報道から10日間過ぎた今も職場復帰できていないという。

「夫婦で涙も枯れるほど泣きましたが、私たちにも生活があります。たとえ周囲に白い目で見られようが、この土地に根を張って生きていくしか生きる術(すべ)はないんです」

 今年3月には「山口県も親も友達も先輩も仕事も全てを捨てて東京に上京する!」とSNSで宣言していたへずま。逮捕後にそれを見た父親は、もはや親としてできることはないと感じたという。