ヘルシー和食で血管にダメージ

 海外でも評価の高い和食。ヘルシーなイメージが定着しているけれど「塩分をとりすぎてしまう点が問題。血管の収縮が活発になり、高血圧を招きやすくなります。その状態が続くと血管へのダメージだけでなく、心筋梗塞や不整脈などのリスクを高めるおそれがある」と、植田先生。

 興味深い研究報告がある。アメリカの国会で紹介されたレポートで、元禄時代(1688~1704年)のころに日本人が食べていた食事が「健康的で理想」と称賛されているのだ。

「当時の食生活は、玄米や野菜、大豆、きのこ、魚介類が中心。それを生かしながら、和食で問題となる塩分を抑えつつ、乳製品や肉類をプラスして、タンパク質やカルシウムを補う。これが現代の理想的な和食だと思います

マッサージで疲労はぬぐえない

 老若男女を悩ませる腰痛、肩こりは、日本の国民病。慢性的に疲れを感じて、マッサージに通う人も多いのでは?

残念ながら、マッサージで外から力を加えても一時しのぎ。疲労感はぬぐえません。筋力低下や運動不足に根本的な原因があるからです。さらに年齢を重ねると関節の可動域が狭まり、柔軟性も低下して、ますます痛みやコリが生じやすくなってしまいます

 と、植田先生。まず自分の状態をチェックしてみよう。

「腕を背中に回し、右手は上から、左手は下から持ってきて、背中で両手を組むことはできますか? できなければ肩関節や背中の筋力が衰えているということ。そこへマッサージをしても、かえって逆効果。この“背中回し”を毎日続けて、関節や筋肉をほぐすことから始めましょう

免疫力が上がりすぎると病気を招く

 長引くコロナ禍で、以前にも増して免疫力UPが謳われるように。ところが「免疫が異常に強くなりすぎて、病気になってしまうこともあります」と、前出・秋津先生。

「免疫とは、身体に侵入してきた異物へ打ち勝つ能力のこと。正しい方向へ強くなればウイルスや細菌を体外へ排除して、病気になるのを防いでくれます。ところが、間違った方向へ免疫が強くなることがあるんです。花粉にさらされ続けることで、異常な免疫反応を起こす花粉症が典型例。ワクチンを打ったあと、重いアレルギー反応を起こすアナフィラキシーも同様です

 免疫が暴走すると、自分の身体を攻撃してしまう。

「膠原病やリウマチを引き起こします。免疫は高めようとするより、睡眠不足やストレスを解消して元からある力をキープすることが大事です」