大問題(6)天国と地獄!? 管理会社の選び方

 管理組合員の高齢化と賃貸戸数の増加で、管理組合役員のなり手はますます少なくなるばかり。国交省の平成30年度マンション総合調査では、外部の管理会社に所属する、建築士や弁護士、マンション管理士など専門家を活用するマンションが4割を占めている。マンション管理士とは聞きなれない資格だが、

マンション管理組合へのコンサルタント業務がメインの国家資格で、2001年に創設されました」

 しかし、すべて管理会社任せでも問題があるという。「管理会社も営利目的でやっているので居住者側も意識を高く持っていないとダメです。やらなくてもいい工事を受けていたら、お金がかかって仕方がありません。

 修繕するに越したことはないですが、大規模修繕工事のときに一緒にやったほうが安くすむという考えも。共用スペースを実際に歩いてみて、今工事するべきか自分たちで見極めることが大切です

 管理会社の言いなりではなく、自分たちで判断することも必要なのだ。

大問題(7)人気の高級タワマン修繕費もケタ違い!?

 あと10年たつと、築40年のマンションが今の2・5倍になり、老朽化マンションはさらに大きな社会問題になる。

“憧れ”のタワーマンションだが、至れり尽くせりの設備にはそれ相応の出費も…… 
“憧れ”のタワーマンションだが、至れり尽くせりの設備にはそれ相応の出費も…… 
【写真】固定資産税が大幅に減るかも! 減額措置の条件を説明した表

「こうした現状を見越して、去年、築年数のたったマンションの再生強化を目的にした法案が成立しました。

 地方自治体が資金計画や管理組合運営の状況を評価・判定して改善に努めさせる法案です。必要があると判断された場合は、各自治体が管理組合に助言・指導を行うことができます。さらにマンション管理士などの専門家を派遣することも可能です」

 また2000年前後から急増したタワーマンションも、大規模修繕が必要になる時期を迎えている。

「豪華なプールやジム、最上階のラウンジなど、購入者の目を引きます。しかし、使用の有無にかかわらず管理費がかかるだけでなく、修繕時期が近づくにつれて、当初に予想していた費用を大幅に上回る可能性もあります

 人気のタワーマンションにも押し寄せる老朽化の恐怖。あなたの“終のすみか”は大丈夫ですか!?


まつもと・ひろし マンション管理士。NPO法人 マンションGPS専任講師。著書に『マンションの老いるショック! 』(日本橋出版刊)など

(取材・文/KAPPO INLET GROOVE)