やってはいけないその他の食品保存術

 食品についた雑菌は、お腹を壊す原因になることも。開封したらすぐ消費の原則は忘れずに。

NG13 米は米びつに入れて常温保存

 涼しくなるまで野菜室へ

 米は米びつに入れて常温保存が昔からの常識だと思いきや、これも間違い。米は生鮮食品なので、保存方法には注意が必要。

「常温だと2週間しか美味しさはキープできません。米は本来、10度の場所で保存するものなので、適しているのは野菜室。2か月は美味しさをキープできます。気温の高い夏場は必ず野菜室で保存してください」

 頻繁に消費するなら、常温保存でも大丈夫だが、味が落ちることは頭に入れておいて。

NG14 炊いたご飯の冷凍保存は冷えてから

蒸気ごと包むと解凍しても美味しい

 炊いたご飯を冷凍保存する際は、ラップをするタイミングが重要。冷ましてからラップをすると美味しさが失われてしまう。

「ご飯は炊いた直後、熱々のうちにラップをしましょう。その後20分ほど粗熱をとったら、冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ。炊いた直後だと蒸気も一緒に包めるので、解凍したときも炊きたてのような美味しさです」

 ラップ1枚だと剥がれてしまうこともあるので、二重にすると、より安心。

NG15 ジャムをパンに塗ったスプーンをビンに戻す

※画像はイメージです
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 パン粉や唾液がつくとカビの原因に

 ジャムを塗るときに使うスプーン、パンに塗ってから容器にまた戻すという人も。これもやめたほうがいい?

「パンくずがついたスプーンを容器に戻すのは衛生的によくないですよね。ジャムに関して注意したいのは、例えば子どもが舐めたスプーンを容器に戻してしまいがち。口の中の雑菌が入ってしまうとカビの原因になるので避けましょう」

NG16 煮出した麦茶パックをピッチャーに入れたまま

 茶葉パックから雑菌が繁殖

 ピッチャーに茶葉のパックを入れっぱなしにするのは雑菌繁殖の原因に!

「熱湯で煮出したあと、茶葉のパックを入れたままだと40度くらいから雑菌が繁殖し始めます。規定時間、煮出したらパックはすぐに取り出して」

 できればやかんごと冷水につけて短時間で冷ましてから、ピッチャーに移し替えて早めに冷蔵室に入れるのがベター。

「家で作るお茶は、3~4日で飲み切るのが衛生的にも安心」

NG17 口をつけたペットボトル飲料を2〜3日後まで飲んでいる

※画像はイメージです
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 なるべくコップに移して飲む

 飲みかけのペットボトル、常温放置は危険!? 「口をつけると唾液が入るので、見えない雑菌が繁殖し、味や品質が劣化します。特に気温の高い日に常温放置するとすぐに菌は繁殖します」。冷蔵室で保存すれば菌の発生はゆるやかになるが、翌日までには飲み切ること。「お茶ならコップに入れ替えて、さらに冷蔵しながら飲めば、開封後も3、4日は美味しく飲めます」

NG18 乾物は戸棚にしまっている

※画像はイメージです
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 冷凍のほうが香りキープ

 かつお節などの乾物は開封すると、どんどん香りが飛んでしまう。香りをキープするには?

「冷凍保存がおすすめ。袋の上にさらに冷凍用保存袋を重ねて、密封して冷凍室へ入れれば、1年くらい持ちます。昆布や干ししいたけ、煮干しなども同じように冷凍すると香りが飛びません。注意点としては、乾物は冷凍室内のにおいを吸収しやすいので、保存の際はしっかり密封をすること」


教えてくれたのは……島本美由紀さん●料理研究家・ラク家事アドバイザー。主婦に向けた簡単に作れる料理レシピを考案するとともに、冷蔵庫徹底活用術などを提案。テレビや雑誌など各種メディアに出演するほか、調理器具のプロデュースなど多方面で活躍中。

(取材・文/中村未来)