ストレスのかかる食事はNG

 大事なのは、親世代が長年続けている習慣を注意深く観察し、それが変わった瞬間、身体に異変が起きていないか注意を払うことだ。

「長年の習慣が変わるのは、隠れた病気が原因のことが多い。また、ストレスのかかる食事は健康によくない。

 別にフレンチが悪いってわけじゃないけど、嫌いな人と食べるフルコースよりも、気の合った仲間で食べるカップラーメンのほうが身体にいいと思う。それぐらい、食事の際の環境と精神状態は大事です」

嫌いな人とフルコースを食べるよりも、気の合う仲間とカップ麺を食べるほうが脳に良い!? ※画像はイメージです
嫌いな人とフルコースを食べるよりも、気の合う仲間とカップ麺を食べるほうが脳に良い!? ※画像はイメージです
【写真】認知症予防にも期待! 「脳を元気にする」特製スープのレシピ

 認知症の原因のひとつとされるのが、毒性の高いタンパク質の一種、アミロイドβ。これが脳内に蓄積されると脳神経細胞の死滅を招く。

「アミロイドβは高齢になっていきなりたまるものではありません。若いころから蓄積されていきます。いわば脳のごみ。

 たまった脳のごみを掃除するには、大前提として血の巡りをよくする必要がある。そうでないとアミロイドβが排出されないからです。そのためにはよい油をとるのが重要。

 僕は特売の安いサラダ油は避け、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らすオリーブ油やエゴマ油を積極的に使っています」

 気の合った仲間と、自分のペースで楽しい食事をとる。そして、よい油とうまく付き合う。これが認知症予防の食の原則だ。

ある日の脳を元気にするメニュー

<朝食>
脳のおそうじスープ(内野先生考案の認知症を予防するスープ)
■材料
トマト大1個、蒸し大豆・くるみ各50g、桜エビ10g、すりごま大さじ3、ツナ缶(ノンオイル)2缶、塩小さじ1、中濃ソース大さじ1、こめ油少々
■作り方
(1)トマトをすりおろす
(2)蒸し大豆とくるみを砕いてもむ
(3)(2)に(1)とその他の材料を入れてもみ混ぜる。冷凍保存。食べるときは適量の熱湯を注ぎ、こめ油をたらす

<昼食>
・コンビニでおにぎり(忙しいときはこだわりません)

<夕食>
・脳のおそうじスープの素とオリーブオイルを使ったペペロンチーノ風パスタ

内野先生がおすすめする、脳を元気にするメニューの一例
内野先生がおすすめする、脳を元気にするメニューの一例
内野勝行(うちの・かつゆき)●都内の神経内科外来や千葉県の療養型病院副院長を経て現在、金町駅前脳神経内科院長。脳神経を専門としてこれまで約1万人の患者を診てきた経験を基に、脳をクリーニングする「脳のおそうじスープ」を開発。テレビ出演多数。さまざまな医療情報番組の医療監修も務める。

(取材・文/ガンガーラ田津美)