堅実な性格もあり、「芸能界でやっていけるかわからない」と担任に進路を相談したという赤楚。高校を卒業し市内の大学に進学すると、'13年に『サマンサタバサ』のメンズモデルオーディションでグランプリを受賞。その後、現在の事務所社長にスカウトされ、大学を中退し本格的に俳優の道に進むことになる。

「高校を卒業して4年後、友人たちと学校を訪ねてきたことがあったんです。ほかの子が就職を報告する中、彼は“芸能界でやっていくことに決めた”と決意表明をしてくれました。そのときの顔は、自信に満ち溢れていましたね」(同・高校時代の担任)

「ナチュラルで人懐っこい」

 ドラマのゲスト出演などを経て、‘17年放送の『仮面ライダービルド』(テレビ朝日系)でメインキャストのひとりを演じ、注目を集める。その直前に赤楚が出演した、アマゾンプライムのオリジナル作品『仮面ライダーアマゾンズ シーズン2』で主演を務めた前嶋曜は、共演したときの印象をこう振り返る。

「台本読みで初めてお会いしましたが、お芝居に対してまっすぐで常に全力を出す方という印象を受けました。演技未経験だった僕に積極的に声をかけてくれて、周りが見える大人の余裕を感じましたね。

 演技もドラマの現場も勝手がわからず、自分だけ孤立しているような気持ちになっていた僕をよく気遣ってくれたので、撮影現場に着くとまず赤楚くんのところに向かうぐらい頼りっぱなしでした」

 現在のブレイクも納得だと続ける。

売れるべくして売れた方だと思います。キャストやスタッフに限らず、どんな人からも好かれていました。また共演することができたら、俳優として成長した自分の姿を見せて、恩返しができたらいいなと思います」(前嶋)

『SUPERRICH』では主人公に甘える子犬のような役柄が人気に(ドラマより抜粋)
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'19年には『ねぇ先生、知らないの?』(毎日放送)で連続ドラマ初主演を務めるなど、順調にキャリアアップ。この作品で初めて取材をしたというフリーライターの田幸和歌子さんに、当時の彼の印象を聞いた。

「すごくナチュラルで人に対して構えない方でした。ご自身では緊張するタイプだと話されていましたが、写真撮影中に散歩されていたおじいさんに“こんにちは~”と自分から話しかけるなど、とても人懐っこい印象を受けましたね。

 撮影時に着ていた衣装を褒めると、“この服、すごく高いらしいんですよ”と答えるなど、一般的な感覚の持ち主で、等身大の男の子だなという印象を受けました」