「当日お召しになる『ローブモンタント』という襟の詰まった白いドレスを仕立てられました。初めて身にまとわれた愛子さまは鏡に映るご自分の姿に、はにかまれていたそうです。その様子をご覧になった両陛下もあふれんばかりの笑顔を見せられていました」(侍従職関係者)
一方、ティアラは新調せず、愛子さまの叔母にあたる黒田清子さんのものを借用される。
「コロナ禍に苦しむ国民がいる中で高価なティアラを作ることはふさわしくないと、両陛下と愛子さまで話し合って決められたそうです」(同・前)
愛子さまが「第三者」から注意を受けた理由
文化学園大学客員教授でジャーナリストの渡邉みどりさんは、こう感嘆する。
「物を大切にされるのは、皇族方のライフスタイルの特徴です。雅子さまが、秩父宮妃勢津子さまのお形見のネックレスを着用されたり、若き日の紀子さまが、香淳皇后から美智子さまへ受け継がれた丸帯を身に着けられたこともありました。今回、ティアラを新調せずに国民と心の交流が持てたことは、若い女性皇族として素晴らしい一歩だと感じます」
成年行事の当日は、ドレスとティアラ姿で皇室の先祖が祀られている皇居の宮中三殿を参拝後、女性皇族の中で最高位の勲章『宝冠大綬章』を天皇陛下から授与される。午後に改めて、両陛下と上皇ご夫妻に挨拶されるご予定だ。
「上皇ご夫妻は、'20年3月に皇居からお引っ越しされて以来、愛子さまとの再会は約1年8か月ぶりだと思います。久しぶりのご対面とあり、楽しみにしていらっしゃるのでは」(前出・皇室担当記者)
美智子さまは、74歳のお誕生日に際した文書で、まだ6歳だった愛子さまについて
《もしかしたら愛子と私は物事や事柄のおかしさの感じ方が割合と似ているのかもしれないと思うことがあります》
と、綴られたことがある。当時、愛子さまから“ババさま”の愛称で慕われていた美智子さま。孫の成長のため、水面下でアクションを起こされたこともあった。
'14年4月、中学に進学された直後の愛子さまが、学内のイベントで鼻をかんだティッシュを近くの大人に捨てさせたと報じられたときのことだ。
「そのことをお知りになった美智子さまは、宮内庁の和歌御用掛に、愛子さまをそれとなく注意していただいたそうです。親族からの指摘よりも、尊敬する第三者からのご注意のほうが、愛子さまにとって効果的だとお考えになったのでしょう」(渡邉さん)
一歩離れたところから導かれるだけでなく、大切なことは対面でレクチャーされた。