「素直でかわいらしい子でした。こんな亡くなり方をしてつらい」と被害者の幼少期を知る知人は言葉少なに語る。

 滋賀県守山市のアパートで女子高校生が心肺停止状態で見つかったのは12月12日午前11時ごろのこと。室内には抗不安薬や睡眠導入剤、咳止め薬など約100錠分の使用ずみ包装シートがあった。

 亡くなったのは通信制高校に在籍する京都市伏見区の篠原聖奈(せな)さん(19)。滋賀県警は同日、共謀して篠原さんを誘い出し前日午後6時ごろ自宅に連れ込んだとする未成年者誘拐の疑いでこの部屋に住む無職・入江公史郎容疑者(38)と、岐阜県関市の無職・金城え夢(む)容疑者(21)を逮捕した。

「離れた場所で暮らす3人の接点はSNS(交流サイト)だった。精神的苦痛をやわらげる目的などで処方薬や市販薬を大量に飲む『オーバードーズ(以下、OD)』の仲間として知り合ったと両容疑者は供述している。

 前日夕、金城容疑者が携帯電話で“知り合いの男の家にいるけど来ない?”などと篠原さんを誘い出し、入江容疑者の車で自宅近くまで迎えに行き、この日が初対面の3人は入江容疑者宅で一晩を過ごした」(全国紙社会部記者)

 翌朝、室内の廊下で倒れている篠原さんに気づいた金城容疑者が「意識がなく呼吸もしていない」などと119番通報。司法解剖の結果、死因は薬物中毒だった。

 事件現場となったアパートは築20数年のファミリー向けタイプで間取りは3DK。入江容疑者は1〜2年ほど前からこの部屋で暮らし、アパート唯一の単身入居だった。

1年近く、家賃を払っていない

「'20年末ごろから家賃をまったく払わないため退去を求めて裁判中です」

 とアパートのオーナー。

「管理会社には“コロナ禍でカメラマンの仕事がなくなり家賃が払えない”と説明している。今夏、裁判に突入しましたが、それでも家賃を少しも払おうとする気配がない。裁判で建物明け渡しが認められ、強制執行されるまで居座るつもりだろうかと困っていました」(同・オーナー)