関係者などによると、家賃は月5万円前後で駐車場代が月5000円。容疑者は新車価格で400万〜500万円台の国産高級バンに乗っており、売却すれば家賃滞納分を清算してもお釣りがくるはず。後部座席に透過率の低いスモークフィルムを張ったり、車体に合わせて黒色のホイールにするなどこだわりが。

いい車なのにほとんど乗っていない

 アパートの住人はこう話す。

「車はきれいに維持していましたね。ただ、いい車なのにほとんど乗っていないんです。いつも駐車場に止めっぱなしで。どんな仕事をしている人なのかなと思っていたんですが、事件報道で無職と知って納得しました」

 滞納理由が本当ならば、ガソリン代にも困ったはずだからほとんど運転しなかったのはわかる。最寄り駅までは徒歩10数分で、徒歩圏内に大型スーパーもあるため生活に不便はない。車に乗らないのに売らない理由は見当たらず、執着すら感じさせる。

警察にレッカー移動される入江公史郎容疑者の高級バン
警察にレッカー移動される入江公史郎容疑者の高級バン
【写真】入江容疑者が無職でも手放したくなかった高級バン

 複数の近隣住民によると、大柄でこざっぱりとした黒髪で穏やかそうに見えたという入江容疑者。回覧板にサインする字だけは汚かったという。

 一方、岐阜県在住の金城容疑者は最寄り駅から徒歩約50分と、車がなければ不便な場所で両親と暮らしていた。

 自宅近所の主婦は言う。

「近所の子どもと遊んであげるようなやさしい子でした。でも高校入学後、すぐ中退してしまい、しばらくして町内会旅行に家族で参加したときに淡い赤色の髪になっていたのでびっくりしました」

 同級生によると、「中学ではソフトボール部の幽霊部員だった」という。地味で目立たないタイプだが、

「いま振り返るとかわいいほうだったかもしれませんね。勉強は苦手にしていました。でも明るい面もあるので友達は多かったですよ」(別の同級生の男性)

 ターニングポイントは高校を中退したころ。知人女性はこう打ち明ける。

「中退はうつ病が原因です。母親が治療に付き添うなどし、その甲斐あって回復したので気分転換に町内会旅行に参加したようです。不良とかではなくて、本人の元気になりたい気持ちが髪を赤色に変えさせたと思っています」

 ところが、今夏にうつ病が再発。高校中退後に働いていた地元の工場を辞めた。