ユ・アインは“憑依型俳優”

・深い闇の瞳と沼のような声にゾク

「少しの光にも瞳が反射しないようにするために、目の大きさを研究した」と役作りについて語ったユ・アイン。まぶたを少し閉じぎみにして、終始視線は斜め下45度。ジンスの瞳は、ブラックホール級の深い闇だ。

 また新森さんは「声」にも注目。「素のユ・アインは少し粘度のあるフェロモン系のチャーミングな声。それが今作では感情が読めない、よどんだ沼のような声で演じていてゾクッときました。“憑依型俳優”と言われる理由がよくわかりますね」(新森さん)

・最後に投げつけられる入魂演技

 宙に浮いているような浮世離れした雰囲気を漂わせていたジンスだが、前半パートの終盤で一転、感情を爆発させて自身の過去を告白する。

「このシーンは今作の大きな見どころだと思います。正義、悪、そして真の“地獄”とは。ユ・アインが入魂演技でドラマのテーマをガツンと投げつけてくるので、しかと受け止めてください!」(新森さん)。ジンスが誰にも言えずにずっと抱えてきた苦悩を思うと、よどんだ沼でもハマりたくなってしまう……。

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◆ペ・ヨンジェ(パク・ジョンミン)
《生まれたばかりのわが子に死の宣告が!妻子のために奮闘する報道マン》

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・修飾語は“次世代の演技の神”

 後半のキーパーソンとなるテレビ局のプロデューサー、ペ・ヨンジェを演じるのはパク・ジョンミン。「彼は映画や舞台を中心に活躍してきた演技派。2018年にイ・ビョンホンと共演した『それだけが、僕の世界』で、天才的なピアノの腕を持つサバン症候群の青年役を演じ、絶賛されました。徹底した役作りをすることで知られ、韓国では“次世代の演技の神”と呼ばれています。30代演技派俳優の代表格のひとりですね」(新森さん)。

 わが子への死の宣告を知り、もがきながらも奮闘するヨンジェ。カリスマではなく人間味を全開に、妻を支え天使の預言に抗う迫真の演技は必見。