●アクリルのパーテーションは感染予防になる?

 感染予防として職場や飲食店などに多く設置されるようになった透明なパーテーション。実際にはどれほどの効果があるものなのだろうか。

「パーテーションには飛沫を防ぐ効果があることを理化学研究所のチームが2年前に解析しています。一方、アメリカの最近の研究では、学校の机に設置した仕切りは換気の改善やマスクの着用に比べると、ほとんど感染予防効果がないと報告されました。飲食店で見かけるような目の下くらいの高さの仕切りでは感染予防になりにくく、効果の実証されたワクチン接種や換気、高性能な空気清浄機の導入などのほうが期待できます。あくまで、補助的な対策と捉えたほうがいいです」

●飲食を制限すれば感染者数が抑えられる?

1月21日にまん延防止等重点措置の適用を国に求めた大阪府の吉村知事
1月21日にまん延防止等重点措置の適用を国に求めた大阪府の吉村知事
【写真】医療従事者に緊急アンケート!ブースター摂取受けた?副反応は?

 1月21日より1都12県で適用が再開された「まん延防止等重点措置」。北海道など、要請に慎重な姿勢の自治体も多いが、第6波を抑えることはできるのか。

「まん延防止等重点措置は飲食の制限が中心なので、それだけで簡単に感染者数が減るとは考えにくく、むしろ今は家庭内の感染が増えてきています。今回の適用によって人々がよりコロナ予防への意識を高く持ち、自身の行動を抑制することができれば、感染予防につながるかもしれません。また、自宅や飲食店を問わず、飲酒をする人はしない人に比べて感染リスクが2倍になるというデータもあります。いずれにせよ、飲食店の制限だけで感染が落ち着くフェーズは過ぎているとはいえるでしょうね」

●デルタとオミクロンが合体した変異株は最強?

 キプロスでデルタ株とオミクロン株の特徴を併せ持つ「デルタクロン株」が発見されたというニュースが世界中を駆け巡ったが……。

「キプロスのサンプルは複数の国でゲノム解析をされていますが、デルタクロン株の報告は技術的なエラーだと主張する研究者もおり、まだその正体や実際に存在するのかは不明です。もし本当に重症化率が高く感染率も高いものであれば、すでにこのデルタクロン株は世界中で感染爆発を起こしているはずですが、そうなっていません。ただ、今後いつそのような変異株が出てきても不思議ではありません」