設立から17年を迎えたYouTube。最初の投稿動画は、YouTubeの共同設立者であるジョード・カリム氏が投稿した動物園内で撮影されたものだ。

「設立された2005年から数年は、日本においてYouTubeはそれほどメジャーな存在ではありませんでした。『ニコニコ動画』など、当時日本で先行していた動画プラットホームに動画を投稿していた層が一部流入していたような、アングラ寄りの存在。もちろんHIKAKINさんなど、当時から人気を得ていた投稿者はいましたが」(ITジャーナリスト、以下同)

「子どものなりたい職業」1位に

 YouTuberが認知され、ネットに明るい層以外の“世間”にまで広まった大きな要因は2014年のこと。

“好きなことで、生きていく”をキャッチフレーズに2014年の10月から、地上波のCMも含めて、大々的なキャンペーンが打たれました。これにより世間にも広くYouTuberという存在が知られることになった。それ以降はYouTuberが『子どものなりたい職業』で1位になることも珍しくなくなりました

 “好きなことで、生きていく”キャンペーンは、第1弾は、日本でいちばん有名なYouTuberといえる『HIKAKIN』、スマホゲームの実況の第一人者的存在である『マックスむらい』、英会話動画を投稿する“バイリンガール”吉田ちかが起用された。

 同年11月にも、第2弾キャンペーンとして、登録者数1000万人を突破し、現在もトップYouTuberの『はじめしゃちょー』、日本におけるYouTuberの先駆者で、動画作成を事業とする会社を設立した『MEGWIN』、美容・メイク系動画のさきがけである『佐々木あさひ』らが起用された。

 大々的なキャンペーンに起用されたYouTuberらは今、“好きなことで、生きて”いけているのか。HIKAKINやはじめしゃちょーの活躍は記す必要がないレベルだろう。

 HIKAKINは公開中の映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』とコラボ。同作に出演する長澤まさみや生田絵梨花がHIKAKINの自宅を訪問するなどのコラボ動画に至った。もはや構図として、芸能界がYouTuberにすり寄っている形といえる。はじめしゃちょーは3億円の豪邸を建設。現在でも数少ない1000万人を超える登録者数を抱えている。