冬場にTシャツ1枚で外出していた

 近所の女性は奈々容疑者について、

「冬場にTシャツ1枚で外出するなど変わったところがあった。ちょっと精神状態が不安定だったみたい」

 と話す。

 別の住民によると、もともとは明るい性格で曲がったことをしないタイプという。現在は無職だが、数年前にはコンビニエンスストアで働いていたこともある。

「当時の同僚は“フツーの女性やで”と事件に驚いていた」(関係者)

 細身でおしゃれなパンツとブラウスなどをコーディネートして外出する母親とは異なり、ふくよかな体型でも楽に着られるシンプルな服装を好んだ。母娘とも運転免許を持っているが、軽乗用車で一緒に買い物に出かけるなど親子仲はよさそうに見えたという。

 さて、救急搬送を妨害した理由は何だったのか。

 事件の構図からすると、妙齢の娘を心配するあまり就職や結婚などについて口酸っぱく言い、それをうとましく思う娘との親子関係が冷えきったとも考えられる。

 しかし、地元住民は「それは想像できひんな」と首を振る。

「むしろ娘さんは母親を頼っていたから。些細なことでも自分で決めず“お母さんどうする?”と確認するようなところがあった。母親のほうも何かと娘を気にかけ、腰を悪くした娘さんに重い荷物を持たせないようにするなど親子仲はよかった。事件が報じられると、ネット上では殺人のようなものだとか、母親を家に閉じ込めて虐待していたのではないか、とか根拠のない憶測が飛び交っている。家の中のことはたしかにわからん。しかし、家の外で見るかぎり主従関係は逆や」(同住民)

 頼りにする母親が突然倒れ、どこかに連れて行かれるのが嫌で徹底抗戦したのではないか、との見立てを示した。

最後はこの勝手口のガラスを割って室内に入った
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 一方の母親は、男まさりのテキパキした性格で若いころはきつい言い方をすることもあったが、年を重ねて穏やかになり、愛犬をかわいがるなど充実した日常を送っているように見えた。

「最近はスレンダーというよりも痩せ方が尋常でなく骨と皮みたいになっていた。だから“痩せすぎよ。ちゃんと食べてる?”などとみんな声をかけていた」(女性住民)

 かなりの酒豪で食が細かった。飲むと周囲におごるなど気が大きくなるタイプといい、営業していないはずの居酒屋兼自宅の周りにはきちんと分別された焼酎やビールなどの空き瓶や空き缶も。

 夫を亡くしてさらにやせ細り、

「飲んでばっかりやダメやで、ごはんも食べにゃ」

 と心配する知人に、

「うん、わかってんねん」

 と答える場面もあったという。

 別の飲食店でたまたま居合わせたことがある住民はこう振り返る。

「歌が上手でカラオケで中森明菜をしっとりと歌いあげてはった。飲みすぎと痩せている以外は足腰もしっかりしていた」