長い目で見て薬に頼らない医療の形を

 医療機関の多くはによる対症療法を主体としているが、何の疑問も持たず漬けとなったら病気はいっこうに治らない。そこで病気の根底にある原因を明らかにし、心身をもとから健康に導く根本治療が必要になってくる。

病気の根本原因には、脊椎・骨盤のゆがみ、腸内環境や遺伝子要因、合わない食品などによる脳や自律神経および副腎の疲労、内臓機能障害、体内の慢性炎症が生じることなどが挙げられます。これらに対して最適なケアで自然治癒力を高める。それによって病気を根本的に治すとともに、病気にならない身体づくりをサポートします」

初期投資はかかっても豊かな生活につながる

 根本治療には食事の改善や運動、良質なサプリメントなども必要不可欠となる。

「食事の改善は、小麦や乳製品など身体の炎症を引き起こすものをカットすること。運動は血流をよくするのに欠かせず、手軽にできるスクワットがオススメです。栄養確保のサプリメントは商品を見極めなければならないため、医師など専門家に相談し良質なものを選びましょう」

 漬けになっても病状が改善せず、一縷の望みで来院した患者が、体内環境を整える治療で健康を取り戻すことも。

「自費診療は高いと思われるかもしれません。しかし病気を根本から治療することに大きな意義があります。長い目で見れば、増大する保険医療費による財政圧迫を減らせる。私はそう信じています」

苦しみから解放された人の声 薬に頼らない治し方

●長袖で隠していた肌をノースリーブで出せる喜び

 長年、アトピー性皮膚炎の炎症に苦しんでいたMさん。それがステロイドを使わず、背骨のゆがみを整える「脊椎調整治療」と「腸内環境改善治療」により、短期間で症状が大幅に改善した。

「アトピーの炎症はお肌だけでなく、身体の中からも生じています。そこでカギを握るのが背骨のゆがみです。背骨は自律神経の通り道になっています。脊椎調整治療で背骨のゆがみを治すことにより、圧迫されていた自律神経の障害がなくなる。すると炎症をはじめ、血流、副腎機能、胃腸機能などが改善していくのです。ステロイドを使わないアトピー根本治療で精神の不安定感もなくなり、患者さんは笑顔を取り戻しました」

※写真はイメージです
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●ステージ4の乳がんが根本治療で消滅

 ステージ4の乳がんを患っていた40代のSさん。ホルモン療法や化学療法の効果が感じられず来院したが、根本治療開始から約半年程度経過後、がんは完全消滅となった。

がんの根本治療は、免疫機能や血流の改善、炎症の抑制、検査に基いた厳格な食事療法などを行います」

 これらの治療を総合的に実施し、がん細胞が生き残れない環境に身体をつくり変えていくことがポイント。併せてメンタルサポートも行う。

「私たちの身体にはもともと、アポトーシスと呼ばれるがん細胞を殺す力が備わっています。身体全体の機能改善により、その力を正常に機能させることができます」

※写真はイメージです
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●認知症による言語障害も霧が晴れたように改善

 重い認知症を患っていた高齢のKさん。日常生活に支障をきたし、言語障害もあった。専門医師がスポーツ医学に基づいた脊椎調整治療を施し、背骨や骨盤のゆがみを整えた結果、症状が大幅に改善。元気に歩けるようになり、言語障害も回復した。

「前述したとおり、背骨は自律神経の通り道です。脊椎や骨盤のゆがみと自律神経は密接に関わっています。そのゆがみを正すことで、認知機能や脳の血流が上がり、認知症の症状が改善に向かったわけです」

 教えてくれたのは・・・伊東エミナ先生 ●エミーナジョイクリニック銀座院長。医学博士。東京女子医科大学医学部卒業後、同大学内分泌内科勤務。米国大学留学、同大学国際統合医科学インスティテュート助教などを経て、2010年より現職。

〈取材・文/百瀬康司〉