最後の3つめの真実、それは市販のおにぎりを見ていつも思うことですが、非常にコスパが悪いということです。

【残念な真実その3】値段が高い――「手間賃」に値段を払っている

節約志向で『安い食品ばかり買う』人の重大盲点」に書いたことですが、家で作るのと比べて値段が高すぎると、いつも私は感じています。

 私は、おにぎりは「手間賃産業」の最たるものだと考えています。「手間賃産業」というのは私の造語で、「自分で作ることもできるけど、自分で作る時間がないから、代わりに作ってもらい、その『手間賃』にお金を払っている」ということです。

 市販のおにぎりは、商品によって差があるものの、だいたいご飯が100グラムほど使用されているものが多いです。生米50グラムに水を入れて炊くと、だいたい100グラムのご飯になります。

 今、生米の売れ筋は、スーパーで1キロあたり300~400円です。特売のものがよく売れます。

 1キロ400円と考えれば50グラムの生米は20円です。つまり家でご飯を炊いておにぎりを作れば20円でできるわけです。1キロ600円するコシヒカリを買っても、50グラムで30円。

 それをおにぎりとして、100円以上の値段で買っているのです。いまはおにぎりは120円以上するのが普通で、いいお米や具材になると、もっと高いものも少なくありません。

 つまり、おにぎり1個の値段のうち、もちろんご飯や具材、海苔のコストはありますが、それ以上に「手間賃」に対してお金を払っていることになるわけです。

加工度が低いので「作ろうと思えば作れる」最たるもの

「でも、市販のポテトサラダやハンバーグだって手間賃にお金を払っているのではないか」と思われるかもしれませんが、おにぎりは他の食品に比べて、加工度が低く、自分で作ろうと思ったら、作ることができる代表的なものの1つだと私は思います。自分でも作れるけど、手間賃に対してお金を払っている、そしてその値段が高すぎると私は思うのです。

 私の現役時代には「おにぎりの具材は、5円以下になるよう原価を抑えること」と厳しく言われたものです。

 私の時代はおにぎりの値段はほぼ100円でしたから、原価を抑えるために、具は5円を超えてはいけなかったのです。だから仕入れが本当に大変でした。おそらく今も似たような状況にあると思います。

 スーパーの米はなるべく安いものを買おうとするのに、値段のかなりの部分が「手間賃」で、しかも添加物入りの「市販のおにぎり」は平気で買う。その感覚が私にはどうも理解できません。もちろんたまに食べるには問題ないでしょうが。