目次
Page 1
ー “せかせか”行動が不調を招く
Page 2
ー 0.75倍速行動で自律神経のバランスが整いやすくなる
Page 3
ー 日常に生活に「0.75倍速」を取り入れる方法

 家事や仕事に介護など、いつも何かに追われ、つい「せかせか行動」になってない?「効率を求めて日常的に忙しなくしていると、神経が常に戦闘モードに。放っておくと心も身体も壊します」と、医師は警鐘を鳴らす。自律神経を休ませる「0.75倍速行動」を生活に取り入れるのが一番の近道だというが、その“手軽な整えワザ”とはいったいどんなもの?

“せかせか”行動が不調を招く

 朝から晩まで、家事やパートに親の介護など、やることが盛りだくさんな週刊女性の読者世代。「少しでも早く効率よくこなさなきゃ!」と、落ち着かない毎日を送っている人も多いのでは?

そうした“せかせか”行動が日常化している人は要注意。心身のさまざまな不調を招いてしまうからです

 と話すのは、内科医の工藤孝文先生。実はこの“せかせか行動”が、心臓の働きや呼吸、睡眠にいたるまで、全身のあらゆる機能をコントロールしている「自律神経」のバランスを崩してしまうのだそう。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、それぞれ別の役割が。交感神経は心身を活動的な『戦闘モード』にするのに対し、副交感神経は心身を休ませて『リラックスモード』にします。2つの自律神経がバランスよく働くことで健康を保っているのですが、せかせかした動きはその調整機能を崩し、交感神経優位の状態を引き起こすため、イライラ、頭痛、不眠などの不調をもたらすのです」(工藤先生、以下同)

 せかせかした動きを工藤先生は「倍速行動」と表現する。いわゆるタイパを追い求める現代人の生活は倍速行動であふれており、常に自律神経が交感神経優位の戦闘モードに陥りやすいのだ。

心と身体は、自律神経を介してリンクしています。気持ちの焦りやイライラが倍速行動を招き、それによって呼吸が浅くなったり、心拍数が上がったりして、身体が戦闘モードに。すると、また心が落ち着かない……という悪循環に陥り、慢性的な不調につながります