バンドマンと“西友のスーパー”

  昨年末の紅白歌合戦に出演したギタリストの『MIYAVI』もバンド活動をしていた10代のころはエリアのステージの常連だった。他にも『the GazettE』『NIGHTMARE』『SID』といった世界各国にファンがいるベテランのビジュアル系バンドも、若手のころはたびたびエリアに出演。昨年、不倫問題が報道された『ゴールデンボンバー』も若手のころはたびたびエリアに出演した。

ゴールデンボンバー、左から喜屋武豊、歌広場淳、鬼龍院翔、樽美酒研二
ゴールデンボンバー、左から喜屋武豊、歌広場淳、鬼龍院翔、樽美酒研二
【写真】 家族で仲良く都内デパ地下で買い物をする河村隆一

 メジャーシーンで活躍するバンドが次々と輩出されていき、2000年代前半にはその噂は全国に知れ渡り、エリアは『聖地』と呼ばれるまでに成長したのだ。

 だがその一方で意外な一面も。かつてエリアで活躍するビジュアル系バンドのスタッフをしていた高橋恵さん(仮名・40歳)は「独特の世界観を持つビジュアル系バンドが活躍するライブ会場がスーパーの西友の地下にあることも妙な組み合わせですよね。暮らしに欠かせないスーパーと妖艶な世界が隣り合っているのはなかなか面白いです」と明かす。西友の売り場でファンとバンドマンがバッティングする、なんてことも珍しくはなかった。

「ステージ上ではお化粧もバッチリ、派手な衣装を着て演奏をしているバンドマンがお惣菜を持ってスーパーから出てくるところにファンが遭遇することも日常茶飯事。バンドの世界観を壊してしまう、なんてことを気にしたメンバーから買い物を頼まれたことがありましたね(笑)」(高橋さん)

 日常と非日常が同居するライブハウスの存在は全国のバンギャたちの憧れの箱だった。ビジュアル系バンドやバンギャらを取り上げた漫画を数多く執筆している漫画家の蟹めんまさんもその一人だ。

「私は関西の出身ですが、エリアの存在は知っていました。ビジュアル系中心のライブハウスで聖地、いつか行ってみたいと願っていた場所でした」

 その後、蟹さんは23歳で上京。仕事の関係で一時はライブから離れていたこともあったそうで、念願のエリアを訪れたのは26歳のときという。その後はたびたびエリアでのライブに通うようになったことを明かす。