実際にブラジル戦のチケットを見てみよう。(1)についてはチケット裏面に小さな文字で《営利を目的としてチケットの転売は、いかなる場合にも固くお断りします》という記載があった。

 また、ブラジル戦は“全席指定”でしたので、(2)も満たす。また(3)については、今回のチケットは日本サッカー協会の販売サイト『チケットJFA』及び『チケットぴあ』の販売であり、購入には個人情報の登録が必要となっている。

チケット転売の違法性

「禁止されているのは、このようなチケットを“購入価格より高額”に、そして“業として”売ることになります。

 急用でイベントに行けなくなり、友人などに定価より安く売ったり、あげたりした場合はこの罪には問われません。

 ”業として“=“くり返し売る意思で”転売を行っているかどうかは警察側にもわかりづらいので、1度だけの転売を確認して立件することは実際には難しい。大量に転売しようとしている、もしくは転売しているのを確認してからの立件となるでしょう」(三浦弁護士、以下同)

 このようなチケット売買サイトは、高額転売に加担しているとも言えるが違法とならないのか。

「結論として、違法とは言えないでしょう。チケット不正転売禁止法において、直接このようなプラットフォーマーを対象に取り締まる規定はありません。

 ただ、この法律で禁止されている不正売買は刑事罰もある違法行為なので、違法な出品だとわかっていても放置している、違法な出品を促しているなどの事情があれば、共同正犯や幇助犯(ほうじょはん)になる可能性はあります

 かつて株式会社ミクシィの子会社の運営で『チケットキャンプ』というサイトがあったが、複数の転売業者に対し、売買成立時の取引手数料を減免していたことが判明。運営会社に家宅捜索がなされている(翌年、サービス停止)。

「ただ、今回のブラジル代表戦で転売に使われた売買サービスは、サイトを見ると、“転売目的で購入されたチケットの掲載は固くお断りさせて頂きます。”や。“弊社では商品の掲載時、全ての出品者様に掲載物が不正転売にあたるものではないことをご確認いただいております。”などの記載がありました。

 もし、たまに不正転売する人がこのサイトを利用して売却したりすることがあっても、“犯罪者に協力した”として、共同正犯や幇助に問われることはまずないでしょう」